松沢呉一のビバノン・ライフ

表はいつも通りだけど—YouTubeで見る脇毛[2]-(松沢呉一)

景気停滞のご時世でも伸びていたもの—YouTubeで見る脇毛[1]」の続きです。

 

 

営業再開しても経営は四苦八苦

 

vivanon_sentence店は今まで通りに営業しているので、街を歩くのが楽しい。

しかし、内情はどこも厳しくて、営業再開後に閉店する店も相次いでいます。たまたま昨日、閉店のために片付けをしている店の前を通りかかりました。焼きとん屋さんです。入口の貼紙を見たらコロナ閉店でした。

 

第一次は自粛ムードの段階で潰れた店。どのみち遠からず潰れるような店だったかもしれない。

第二次は緊急事態宣言で閉店を決定した店。

第三次は再開する予定だったのに再開できなかった店。

第四次は再開後に潰れた店。

 

負債が溜まってから閉める方が金銭的にも精神的にもきつそうです。

すぐに売り上げが戻ればやっていけるのでしょうけど、飲食店も雑貨屋も服屋も、客数や売り上げは2割減から5割減が続いていて、5割減ともなると仕入れもできずに赤字が蓄積していきます。なんとか資金を調達しても、あっという間に消える。国や都からの補填も焼け石に水。

客が元に戻るまで堪えられるかどうか。それまでに増える借金を返せるかどうかを計算すると「もう無理だ」となる時が来るのでありましょう。

表向きはいつも通りでも、街は大きく変貌しています。

「表向きはいつもの通りでも、中はボーボー」と言えば脇毛です。

※この店は第三次。再開を予定しながら再開できないまま潰れた洋食屋です。

 

 

パンクもメタルも全滅

 

vivanon_sentence脇毛のミュージシャンは、なんと言ってもパティ・スミスです。しかし、YouTubeでライブを見たら、脇が見えるような格好をしてません。

パティ・スミス以来、パンクスには脇毛が似合うのに、パンク系では脇毛はひとつも見つからない。40年前のThe PlasmaticsのMVまで観てしまいましたが、脇毛はないです。

The Plasmaticsは今観てもオモロいな。ヴォーカルは最近のメタル系のボイスにも通じ、もしかすっとメタルのヴォーカリストには脇毛が生えているのがいるのではないかと気づきました。

前に書いたと思いますが、デスボイスは革命的で、女のヴォーカリストでも、暴力的、攻撃的な歌詞を無理なく歌えるようになりました。歌詞までは聴き取れないですが。

デスボイスで「グォー」って言いながら、脇毛を一本一本抜いているのはあり得ないでしょう。とくにデスメタルでは脇毛が生えているに違いありません。

この際、音楽の好き嫌いを言っている場合ではなく、脇毛だけが目的です(デスメタルはわりと好きですし)。すんごい数のメタルバンドのMVとライブを観ました。けっこう脇は露出しているし、全裸に近い格好の人もいるのに、脇毛は発見できませんでした。ここにウソがある気がしました。

でも、メタル系のヴォーカリストは、ステージを降りると案外腰の低いお嬢さんだったりして、親にもバレてないので、脇毛は伸ばせない。中学時代の友だちに「メアリーはあんな声さえ出さなければいい子なのに」と言われてますから、脇毛くらい剃っておきたいのはわかります。

 

 

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