松沢呉一のビバノン・ライフ

「コロナの影響でおかしな人が増えている説」と黄金プレイ再開についての盲点-(松沢呉一)

 

 

雨の夜に出くわした恐い女

 

vivanon_sentence店の前に貼り出された休業、閉店、移転を知らせる貼紙を相変わらずよく見ています。

数日前、夜遅く、傘も差さずに雨の中をとぼとぼと歩いている時、内科クリニックの看板に「院長 長期療養のため、当分の間休診いたします」って貼紙が出ていたんですよ。

「新型コロナに感染して重症化したのか」と思ったのですが、医者だって、いろんな病気になるわけですから、新型コロナに限らないか。交通事故にだって遭うし、精神を病む人もいます。

銭湯だったらよくある話で終わりですけど、医者が長期療養となるとあれこれ考えてしまうものです。

そのあとも会ったことのない院長の容態に想像をふくらませながら歩き続けました。雨だったこともあって人がまったくいない道です。

と、遠くから傘を差した女性がこちらに向ってきます。大きな道路の舗道なので、狭いところを必然的にすれ違うことになるのですが、何かイヤーなものを感じました。40代だと思うのですが、遠目で見ても、なにやら不穏な雰囲気が漂っています。その顔がなんとも恐い。私の方を見ているのでなく、進行方向を見据えているだけでしょうけど、睨まれているように思いました。

私は目を合わせないように、俯き加減で歩き続けたのですが、すれ違う直前に、「電車が駆けてくる」と彼女は言い、「エッ?」と私は思わず彼女を見たら、鬼の形相ではっきり私を見てました。

目を合わせてはいけないと、すぐにまた俯いて通り過ぎました。

たぶん統合失調症でしょう。今は薬で抑えられるのですけど、院内感染が恐くて病院に行かないうちに悪化したのではなかろうか。

※クリニックが特定されるとまずそうなので、関係のない貼紙を出しておきます。ここはチェーン店なのですが、今に至るまで再開しておらず、おそらくこのまま退店するだろうと見ている食い物屋です。この物件は入口が狭くて、入る店はたいてい2年程度で出ていくことになっています。ここも別の物件を探していそうです。今は空き物件がいっぱいありますから。

 

 

医者も当然病気になる

 

vivanon_sentence家に帰って、その日に撮った写真を確認したら、休診のお知らせには日付がついていて、去年の11月になってました。コロナと関係ありませんでした。

もう半年以上休診です。院長は相当悪いのでありましょう。ビルの2階にあって、ビルのオーナーじゃなければ家賃を払い続けているはずです。クリニックの場合、医療機器もあるので、いったん閉院にするというわけにもいかない。開業医だったら、しばらく家賃を払い続けるくらいの蓄えはあるか。

検索したら、クリニックのサイトはなかったのですが、病院ガイドのサイトに院長の写真も出てました。まだ若そうです。40代か。壮健そうに見えるのですが、写真だけで健康かどうかわかるんだったら、医者はいらない。

 

 

おかしな人が増えている?

 

vivanon_sentenceその翌日、ラ・シオラの楊子女王様の撮影だったのですが、彼女は女王様になる前は、よくおかしな人に声をかけられたそうです。「顔を踏んでください」とか「下着を売ってください」とか。彼女は脚がきれいなので、踏まれたくなるんだと思います。

女王様になると恐いオーラが出るようになるためか、以降は出くわすことはなかったのですが、最近になってまた出没するようになったと言います。路上でズボンを脱いで女ものの下着をつけて四つん這いになった男とか。

さんざん仕事でそういう人を見てますから、「いきなり出てくるな。予約しろ」と思うそうです。

「コロナのせいでそういう人が増えているんじゃないかな」と楊子女王様。前夜の女とはまた違う現象ですが、これもありそうです。

 

 

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