新年早々またマスクの話—2021年の抱負(なんて立派なものはもうないけれど)[2]-(松沢呉一)
「新年早々去年と同じ話—2021年の抱負(なんて立派なものはもうないけれど)[1]」の続きです。
年末の雑踏とマスク
年末は、いつものように家を出る時はマスクをしておらず、すでに仕事が休みになっているためにさほど混んでいない山手線では、ソーシャルディスタンスを保って、マスクなしでおにぎりを食べていたのですが(小腹が減ったものですから)、新宿駅や上野駅を降りると、すぐにリュックからマスクを出し、そのままずっとつけているしかないくらいに人だらけ。こんな時はマスクをするのもまた嬉し。
皆さん、年の瀬は混み合うことを予期していたということもありましょうし、年末年始の準備となると「ちょっとそこまで買物に」ではなく、電車や車を使って本腰を入れた買い出しになり、マスクを自然とするためか、飲食店を除いて、店の中でマスクをしていない人はまったく見ませんでした。
しかし、冬休みですから、新大久保では若い女子たちが路上でマスクを外して、タピカオドリンクを飲んだり、韓国式チーズドッグを食ったり、派手なマカロンを食ったりしてました。
私もこの時はマスクをしてますから、「若いヤツらが身勝手な行動しやがって。マスクくらいしろ」と怒りがこみ上げてくるわけです。ウソです。私も外で買い食いするのが大好きですから、気持ちはよくわかります。
そいつらから感染するのが怖いんだったら、近寄らなければいいだけ。あるいはマスクを5重にしてゴーグルとフェイスシールドをすればいいだけ。
いくら混雑してると言っても外ですし、通行人は動いてますから、唾液がたまたまマスクに付着したのちにウイルスが口に入る可能性はゼロに近い。これで感染するんだったら、どのみち目から感染するって。
人通りがほとんどない道ですけど、私もこの日はハンバーガーを路上で食いました(電車の中でおにぎりを食ったのは別の日)。まして、死なない世代は買い食いしないではいられないでしょ。
なんで赤の他人に注意したり、ブツブツSNSで文句を言わないでいられない人たちがいるのか不思議でしょうがない。
※最安値記録を大幅更新。50枚入りで税抜き190円。卸が一緒なのか、店自体が系列なのか、何軒かがこの値段で出してました。上野、安い。半年前の10分の1。マスクの原価は1枚1円だとしても、包装コスト、運送コスト、流通コストを考えると、こんな値段で売れるはずがない。どういうことなんだろう。
マスクをしていない人よりマスクをしている人をジッと見る
その日はマクドナルドもまあまあ混んでいたのですが、商品待ちをしている時に、私の前にかわいい女の子がいたんですよ。5歳くらい。マスクをしていてもかわいい。マスクをしているからかわいいのかな。マスク美人。
お父さんと一緒だったんですけど、その子が頻繁に後ろを向いて私の顔をジッと見ます。「ガンつけてんじゃねえ」と睨み返したのですが(ウソです)、たぶん私のマスクを見ていたんだと思います。ヤクザっぽい柄の布マスクをしてましたから、「このおじちゃんは住吉会かな」と考えを巡らしていたのでしょう。
この時に思ったのですが、マスクをしている時の方が人に見られる気がします。マスクによりけりではあって、私も派手なマスク、オシャレなマスク、変わったマスクをしている人をジッと見ていることがあります。
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