昨年末からの混迷について—Facebookのアカウント死亡のお知らせ[上]-(松沢呉一)
Facebookを宣伝の拠点にしてきた事情
Facebookの「ビバノン」アカウントを見ている方はおわかりのように、昨年末から迷走をしてます。しかし、あのアカウントはほとんどもう機能しなくなっていて、つまりは見ている人がいなくなって、何が起きているのか大多数の講読者は理解していないでしょう。そこで、改めて講読者の方々に向けての説明を「ビバノン」でやっておきます。
「ビバノン」は、スタート当初からFacebookを宣伝のメインにしてきました。
この時点で私はTwitterを使わなくなっていたのと、宣伝はFacebookの方が向いているためです。宣伝用のページやグループなどのアカウントはデータがとれるので、「何をどうしたら食いつきがいいか」「どんなテーマが好まれるのか」が見えやすい。「投稿に図版がないとリーチが7割減」「サムネイルが縦だと3割減」「サムネイルがモノクロだとやっぱり3割減」「ただシェアするのでなく、文字を添えると3割増」といったことが数値で出ます(数字は適当です)。
このサービスはもっぱら企業向けなのでしょうが、私はデータが好きなので、Facebookのこういうところは大きな魅力です。
Facebookは文字数制限がないのも私向き。それ以外はどうでいい。
Facebookはお上品なので、エロやグロに厳しく、ガイドライン上、なんら問題のない一世紀前のパンチラ写真が削除され、削除には至らないまでも、脇毛写真や、一世紀前のアート作品でもヌードの絵画や写真は表示されにくくされると思われる点は腹立たしい。歴史的価値も評価も敬意もなく、「おまえらは機械か」って感じです。機械ですが。
それでもデータと文字数制限がないことのメリットを優先です。
6年間で初の事態に
昨年11月頃から、急速にリーチとエンゲージメントの数値が落ち始めます。6年間やってきて初の事態です。
リーチはその投稿が何人の人に届いたか。エンゲージメントは「いいね!」をしたり、クリックをしてリンク先に飛んだり、コメントなどのアクションをしたことの数値です。
ちょうどその頃、コロナバブルが終わって新型コロナ関連へのアクセスが激減し、「ビバノン」トータルのPVがコロナ前に戻りつつありました。戻り切ってはいないですが、コロナバブルのピーク時の半分くらいに落ちてました。
ところが、新型コロナと関係のない投稿でもFacebookでの数字が落ちます。Twitterの反応は変わっておらず、Facebookだけが落ちているため、Facebookのアカウント経由によるアクセスは、新規で出した記事に対するアクセスの10パーセントを切るようになっていきます。メインの宣伝拠点なのに。
(残り 1511文字/全文: 2694文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ