宿泊施設とライブハウスはいよいよ厳しい—緊急事態宣言に抗する[5]-(松沢呉一)
「ソープランドに初めて来た客の意外な目的—緊急事態宣言に抗する[4]」の続きです。
ホテルとゲストハウスの惨状
「開店閉店.com」を見ていて、スーパー銭湯とファミレス以外で、当然そうなるだろうという数字が出ていたのはホテルです。
ここ一週間に閉店したホテル。
「開店閉店.com」より
一昨年は閉店34軒だったのが、昨年は151軒。当然ですが、都市部のビジネスホテルよりも観光地や飛行場近くのホテルが目立ちます。
「開店閉店」はゲストハウス系の宿泊施設は拾っていないですが、こっちはもっと厳しい。ゲストハウスによっては個室仕様の部屋もありますが、二段ベッドが並ぶイメージが強いので、いかに安くても感染リスクを考えると敬遠しましょう。ただでさえ旅行者が減っている上にこのイメージで客が来ない。
あるゲストハウスの具体的な話も聞きましたが、昨年から宿泊者ゼロが続いているそうです。他に誰もいないのですから、広い部屋を独り占めできて、風呂もトイレも共用スペースも独り占めできるので、ゲストハウスは狙い目です。安いですから、気分転換にしばらく借りようかと思いました。
それでもそこは他の仕事もやっているオーナーが、パートの人たちを雇って回していたのでまだしもとして、また、持ち物件でやっている人はいいとして、家賃を払っているゲストハウスはもう限界です。今年はさらに潰れるだろうと言ってました。
オリンピックを当てにして借金してゲストハウスをオープンし、元をとる前にコロナ禍に突入した場合は借金だけ残ります。首をくくる人も出てきかねない。
※最新の閉業ホテルである雅宿竹峰は新宿の中落合にあって、以前は和風旅館風のラブホでしたが、数年前にリニューアルされて、一般向けの仕様となってました。高田馬場からも近いとは言え、とくに近隣に何があるってわけでもないので(銭湯がありますけど)、相変わらず車利用のラブホ以外の用途では使いにくかったでしょう。ここの風呂は気になっていたんですけど、行けず仕舞いでした。
ライブハウスの惨状
もうひとつコロナ禍のダメージが顕著な業種はライブハウスです。
以下は昨年12月からここまでに閉店したライブハウス。
「開店閉店」より
一昨年の閉店は17軒、昨年は38軒ですから、倍以上。明らかにコロナの影響ですけど、一昨年、17軒も閉店していたことに驚きます。
(残り 2046文字/全文: 3108文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ