マスクの意味を考える素晴らしい展覧会—マスク・ファシズム[22]-(松沢呉一)
「マスク幻想を信奉する医療業界に喝を入れてきた—マスク・ファシズム[21]」の続きです。
「自由(でいなければならない)展」を観てきました
春になったので眠くてさ。たっぷり寝たはずなのに昨日は夕方に眠くなって、1時間くらい寝るかと思って横になったら4時間寝ました。「しまった、夜寝られなくなる」と思ったのですが、夜も2時頃には寝ました。
朝早く起きたのですが、すっきりと起きることができず、二度寝、三度寝をして結局昼頃まで寝ていました。睡眠時間が長いだけあって(関係ないけど)、長編のいい夢を見ました。今月のベスト1。
他人の夢の話を読んでもつまらんでしょうが、コロナ禍のマスクについてのまとめ代わりに紹介しておきます。
原宿で若手アーティストたちが各種イベントや展覧会をやっています。参加しているアーティストの中に「ビバノン」の読者がいて、そいつが声をかけてくれたので観に行きました。
裏原宿まで展示だらけ。建物の大きな窓を作品が回っていく趣向の展示があって、見たら回転寿司のベルトを応用してました。考えましたね。
作品の間を抜けて目的地のギャラリーに到着しました。
彼は「自由展」と題された展示をやっていました。ベタなタイトルですが、フルタイトルは「自由(でいなければならない)展」です。
会場にはテーブルと椅子があって、テーブルの上にマスクやフェイスシールド、アルコールが置かれています。白壁には法律の条文や「ビバノン」の文章がプリントされています。
ここに仕込みで、ノーマスクの人が咳をしながら入ってきます。それも自由ですから、誰も注意はできない。フェイスシールドにアルコールをかけて使う人もいれば、そそくさと出ていく人もいます。それも自由。念のため、この仕込みの人はすでにワクチンを接種しています。それでも感染することはあるわけですけど。
※起きてから「ビバノン」を更新したあと、神田川に花見に行ってきました。宴会なしでも花を眺めながら散策する花見はいいもんです。もともと神田川沿いは杉並区まで行かないと宴会できるところがあまりないですしね。
自由を守るためには自分自身で考え、判断する
また、時々全裸になる人がいます。これも仕込み。会場には常時少人数しか入れていないので、公然わいせつにはならないという解釈です(不特定なのでこれはアウトですが、夢の中では納得してました)。それにつられて一般客でも裸になるのが出て来ます。
これらは話で聞いただけで、実際には私は見てなくて、私が行った時には何も仕込みがないので、皆さん椅子に座ったり、立ったりして、ただダベってます。そうしているだけだと「自由でいなければならない」という趣旨に反するような気がしてきて、いたたまれなくて出ていく人もいます。
「自由でいなければならない」という不自由さに反発したいのだけれど、何をしていいのかもわからない。
私は知人と行ったのですが、知人はその空気を打開すべく、テーブルの上にコカインを取り出して鼻から吸い始めました。そしたら、すぐに女性スタッフが飛んできて、「それはちょっと」と注意されました。「法律は守る」というのがルールになっているのです。人を殺す自由はない。コカインをやる自由はない。
(残り 1664文字/全文: 3037文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ