24時間営業の違法店舗型ヘルスに行った時の話—エロと照明[上]-[ビバノン循環湯 595] (松沢呉一)
イヴリン・ネスビットの写真はこの回に使用しようと思ったのでした。ヌードならまだしもとして、広告写真では無理がありました。だいたい中身はまとめてあったのですが、ネスビットの写真は外したので、急遽、過去に撮った写真から照明器具の写真を探しました。前に使ったものもあるかもしれない。
この原稿は雑誌では未発表で、書いてから数年遅れて「メルマガ」に出したものだったと思います。
裸になった時の照明の好み
明るい太陽の光のもとでも、煌々と光る蛍光灯のもとであっても楽しめるので、私自身はどんな照明でもさほど気にしないが、エロ行為の際は暗めを好むのもいる。女の方が多いと思うが、男にもいる。
暗い方が没頭でき、また、自分が感じているところを見られたくないという乙女心もある。暗い方がより激しく感じてくれるのであれば私は相手に合わせるまで。
しかし、昨今は女もまたAVを観るようになった影響なのか、明るい照明のもとで相手の表情や鏡を通して自分の姿態を見て興奮したいというのもいる。
私としてはそれもまたよし。
ただし、真っ暗闇だけは避けたい。何も見えないのも時にはオツなのだが、とくに初めてセックスをする相手だと、相手の反応を視覚で確かめつつ、よりよい攻め方を工夫したいし、感じた時にどう表情が変化するかを見届けたいので、表情が判別できる程度には光があった方がいい。イカせ系ならではの要求か。
いずれにせよ、人によって照明の好みは違うので、話し合いが必要かと思う。
調整できる照明はありがたい
温泉に行って時に旅館に泊まると、セックスの時にしか使用しないような照明器具が置いてある。行灯みたいなものだ。あれだと本を読むにも暗すぎる。いざセックスしようとすると、壊れていることもある。そんな環境でセックスする場合は、テレビをつけ、音を消して照明代わりにすることもある。画面によって光度や色が着々と変化するのもまた一興。
皆さんも「照明をどうするか」で頭を悩ませたことがきっとあるだろう。この時にラブホのように光度を調節できるとありがたい。あれなら「このくらい?」「いや、もうちょっと暗い方がいいかな」なんて、互いの要望をうまく合致させる接点を探せる。
これには大いに意味があり、性風俗店では、あのような調節可能の照明になっているところがよくある。客によって違うからだ。
女のコも、素の明かりのままプレイを始めるコと、客の要望を聞いて調節するコと、何も聞かずにさっさと自分の好みの光に調節するのとがいる。
私が「どうしますか」と聞かれた時は、「君がやりやすいのでいいよ」と答える。相手が感じてくれるのが好きな私としては、相手優先である。私の方がサービス業みたいなもん。
また、彼女が自分の好みに調節するにしても、「恥ずかしいから、暗くしていいですか」の一言があるといい。あっけらかんとしているようでも、恥じらうところでは恥じらう様が「オヤジの乙女心」をくすぐるのである。人間社会は乙女心でできている。
24時間営業のヘルスへ
仕事の打ち合わせというわけでもなく、なんとなく渋谷で2名の知り合いと会ってメシを食った。誰が言うでもなく、「遊びに行こう」という話になった。
私は自分自身が遊ぶ時は原則1人で行動する。気を使いたくないし、人に合わせることが苦手だからだ。しかし、案内役なら得意。ちょっと距離のある位置で他人の行動を観察するのも楽しい。
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