松沢呉一のビバノン・ライフ

銭湯はサイコー・全国フェミニスト議員連盟はサイテー—補足・追記特集[2]-(松沢呉一)

タバコはサイコー・全国フェミニスト議員連盟はサイテー—補足・追記特集」の続きみたいなもんです。

 

 

新宿区の銭湯で中野区の松本湯が話題に

 

vivanon_sentenceまずはリニューアルした東中野・松本湯の追記です。

半月ほど前、新宿区の銭湯に行きました。ずいぶん前に行ったきりで、薄汚いイメージがあったのですが、思っていたより浴槽が広くていい銭湯。たしかに古くて、外装が薄汚くなってはいるのですが、中が薄汚いってこともなく。

洗い場では、70歳くらいの2人が仲良く浴槽に入ってました。2人とも溌剌としていて、じいちゃんというよりおっちゃんです。

何十年も前から知り合いで、互いの家も知っていながら、一緒に行動するわけではなくて、こうしてたまたま会った時に報告しあう関係であることが会話の内容からわかりました。

彼らはこの銭湯が拠点ながら、新宿区や中野区にある銭湯を回っているようで、最近は松本湯によく行くと言ってました。松本湯は中野区と新宿区との境にあって、ここから徒歩で15分、自転車なら5分でしょう。

リニューアルしてから松本湯は人気が高いなあ。

ただし、それぞれに不満も言ってました。

小柄な方はこう言います。

「松本湯は湯温が低いんだよなあ」

同意します。あれだけ多様な浴槽があるのに、最大温度は43度くらいだと思われます。44度の浴槽が欲しいと私も思いましたが、ヒートショック対策で、リニューアルするとこうなるのが定石ですから、湯温について私は「ビバノン」では触れないでおきました

 

 

若い人が多いと気後れするおっちゃん

 

vivanon_sentence続いてガッシリした方のおっちゃんはこう言ってました。

「松本湯は遅い時間は若い人ばかりだから行きにくい」

松本湯の話はそれで終わってしまって、おっちゃんの真意はわからないままでしたが、いくつかの解釈があり得ます。

少年野球や少年サッカーの練習のあとで子どもたちがまとめて銭湯に来ている場合、子どもらが騒ぐのでうるさいことはあるでしょう。そういう場合はたいてい大人の監督やコーチも一緒に来ていて、うるさくすると注意するため、実際にはそんなにうるさくないですが、一般に子どもの集団はたしかに騒がしく、子どもに注意する張り紙が出ていることもあります。

私の経験では、騒がしいのはいいとして、湯の掛け合いをして、飛沫がこっちまで飛んでくるのはイラッとすることがあります。

しかし、遅い時間は子どもは来ない。いくら松本湯は若い世代が連れ立って来ているのが多くとも、静かに会話しているだけで、騒がしいってことは全然ありません。湯の掛け合いもしてません。

たとえばコンサート、お笑いライブといったイベントで若い人たちばかりの中にいるのは居心地が悪いとか、若い世代しかいないだろうと思われるクラブのような場所に行くことに気後れするのは私もわかります。しかし、銭湯は当然年寄りがいる場所であり、堂々といていい場所です。私は銭湯でそんな感覚を味わったことはありません。

こういう感覚は人によって大きく違うものです。そう言っていたおっちゃんは強面で、そんなことを気にするようなタイプには見えなかったですが、ああ見えて中身は繊細で遠慮深いってこともあるかもしれない。若い人たちから「あんなじいさんが来ていると湯が汚れる」と思われているのではないかと心配したりして。そんなことを思う方が悪いのですが、それを自分の責任としてとらえる人がいるものです。

※これは一昨日行った大塚の大黒湯。玉暖簾ぽい暖簾が銭湯としては相当に珍しい。この銭湯は八角の湯気抜きで、これも珍しい。六角はありますが、八角はここだけらしいですよ。

 

 

無知な怠け者を肯定してくれるのがフェミニズムだと勘違いするな

 

vivanon_sentenceてなことを昨日大黒湯で思い出していて、「人の感覚はいろいろだなあ」と改めて感じ入っていたのですが、これが戸定梨香の件につながりました。「またか」って感じですが、ホントに腹が立ちます。なぜあんな独善的な集団が存在しているのかの説明になるかもしれないので、あの件も追記しておきます。

戸定梨香のようなキャラを嫌う人はいるでしょう。中身はさまざまで、アニメではないけれど、アニメっぽいキャラ、オタクっぽいキャラを嫌う人たち。自分の理解できないものに税金を投下することを嫌悪する人たち。自分に向いていてくれないと納得しない人たち。

 

 

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