借金で他国を支配してきたつもりの中国はツケの支払いを求められている—各地で高まる反中国機運-(松沢呉一)
喜多方ラーメンの店で働くネパール人
ただ図版が確保できればよかったのですが、その用件を超えて、十二社で良質なタイムスリップが体験できて満足し、そのあと神楽坂と四谷荒木町に行きました。
神楽坂と荒木町では、十二社ほどの発見はなかったのですが、漫画家の東陽片岡は荒木町でカラオケスナックをやっているんですね。知りませんでした。福田君が以前行ったことがあるそうで、ひさびさに顔を見ていくかと思ったのですが。昼の部のカラオケ営業をしていて、東陽片岡はまだ来てませんでした。
日が暮れるのが早く午後5時前にすでに光は夜。この日の撮影は終了し、福田君と喜多方ラーメンの店に入りました。
従業員はネパール人でした。マスクをしていたのではっきりとはわからないですが、30代かな。学生ではないと思います。
私はこう聞きました。
「いつかネパールにラーメン屋を出す?」
「そういうことも考えますけどね」
ネパール料理はインド料理と全然違って、味付けがわりとさっぱりしています。中国から来たものらしいですが、ラーメンみたいな汁の麺もあるし、水餃子みたいなモモもあるので、喜多方ラーメンと餃子は受け入れられそうです。
※神楽坂の黒塀。さすがに現役の花街だけあって、料亭は多数営業しています。
ネパールの未来を喜多方ラーメンの店で語る
しかし、「そういうことも考えるけれど、実現は難しい」というニュアンスでした。可能性はあるけれど、難しいと私も思います。
「ネパールはヒマラヤの雪が溶けて洪水がひどいもんね」
「そうなんですよ」
洪水の被害は山間部が中心で、カトマンズに直接の被害はないでしょうけど、ネパール全体の経済には大きなダメージです。それ自体の被害も大きいし、あれが続くと、観光客が寄り付かない。ネパールを訪れる観光客の大半は登山やトレッキングの客と国内をフラフラするバックパッカーです。彼らは洪水の多い地域にも行きます。どっちみちコロナで数が減っていましょうが、コロナを脱しても洪水がネックになります。
観光収入の比率が多い国ですから、この先も経済的に厳しいんじゃなかろうか。ヒマラヤの雪と氷が溶け切るまで。
経済的余裕がないと、わざわざ日本の食い物は食べないです。
トイレに行った時に気づいたのですが、この店の厨房では中国人が2人働いています。台湾人かもしれないけれど、中国語の会話が聞こえてきました。彼らに聞かれそうなので、ネパール人の彼には「ネパール人はたいてい中国が嫌い」という説を確認はしませんでした。他の国だったら、一緒に「政府のどこが問題か」を語れますが、中国人だと難しい。
店を出たらネパール人が追いかけてきました。スマホが椅子の上に落ちていたようです。
※荒木町にて、からすみ製造中。からすみを干している店は他にもあって、シーズンなんですかね。最近よく野菜や果物干しが盗まれる事件が報じられていて、からすみは高いので、狙われそう。
ソロモン諸島の暴動と反中国感情
うちに帰ってYouTubeをチェックしていたら、ノーマークだったソロモン諸島で、暴動が起き、あちこちで略奪や放火も起きているようです。
おそらく特段の許可や届けが必要ないのだと思われて、ドローン映像がこの件では駆使されています。
鎮圧のためのロックダウンをしたのですが、一向に収まらず、昨日の報道ではオーストラリア政府が治安警察部隊を送り込んだとのこと。
もともとソロモン諸島は台湾と良好な関係を保ってましたが、2019年に台湾との関係を断って、中国に乗り換えたことに対して国民の間で不信・不満がくすぶっていて、ここに来て爆発。
今回警察署も襲撃されて いますが、もっぱら中国系の店舗や企業が襲撃されています。
(残り 1532文字/全文: 3226文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ