発達障害であっても人格障害であっても気にならなければそれでよし—自分の中の発達障害・人格障害[下]-(松沢呉一)
「ADHDしかいない集団—自分の中の発達障害・人格障害[中]」の続きです。
整理整頓ができない
前回取り上げた項目以外に、ADHDの特徴として「整理整頓ができない」と言っている人たちもいます。私もそうです。どちらかと言えば私の場合は予定調和なものを避ける性質から、そうなったと思っていますが、そんなことを考えるようになるずっと前の子どもの頃から片付けができませんでした。
銭湯で観察していると、脱衣場で脱いだ服を丁寧に畳んでロッカーに積んでいく人と、適当に丸めて突っ込む人とがいて、私は後者です。
脱ぐ時に服やパンツや靴下が裏返しになったりしますが、全然気にしない。パンツとズボンを一緒に脱いで、それを分離させることもなくロッカーに放り投げます。ロッカーを閉めたら、服の端っこが外に出ていたりして、これは下のロッカーを使う人に迷惑なのでやり直しますが、それがなければまんまはみ出ていてもよし。誰か鼻くそを拭くかもしれんけど。
銭湯に行くときはそうしていいような服しか着ないですが、ハンガーが設置されているようなロッカーがあって、ハンガーにかけた方がいいジャケットを着ていても、あまりハンガーは使わない。だからしわしわになります。
このシーズンに飲食店に行くとジャケットを脱ぐじゃないですか。ハンガーにかける人も多いでしょうが、私はだいたい椅子にかけておいて、そのうち床に落ちても気がつかず、誰かが気づいてハンガーにかけてくれたりします。バッグもよく床に直に置いてます。
時間にルーズ
たまたまADHDトリオが出揃って花園神社に行きすがらこの話になった時に、福田君はこう言ってました。
「松沢さんはあんまり遅刻はしないですよね」
「することもあるけど、多くはないね」
これは約束時間を適当にしておいていい時は適当にするからでもあります。「3時か4時頃にそっちに行く」「夜遅く合流するよ」といった具合。
「松沢さんは気づいていないかもしれないけど、僕は遅刻がひどいんですよ。すっぽかすことはないですけど、必ず遅れる」
私は認識していなかったのですが、ADHDの特性として遅刻をするというのもあるそうです。
私は遅刻は多くはないですが、すっぽかしがあります。約束したことを忘れるのです。忘れないようにカレンダーや手帳に書き込んでも、見るのを忘れる。ひどい時は家を出る1時間前には覚えていたのに、何かの作業を始めて、それに熱中して忘れます。笑い話みたいですけど、それなりの頻度で起きます。たいていはギリギリのところで気づいて遅刻しないで済みますが、たまにすっぽかします。
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