伊勢湾台風をカラーで再現したCBCテレビの番組「色と記憶」—伊勢湾台風級のスーパー台風を続々生む地球温暖化-(松沢呉一)
スーパー台風に襲われたフィリピン
どんな活動をしていたのかもよく知らないのに、芸能人が自殺した(と思われる)となると、なんか気になりますわね。
「30代だったら、これから先にまだ楽しいことが待っているだろうし、やりたいことが実現できるチャンスがあるだろう」と言いたくなりますが、10代20代に比べると先が見えてきてしまって辛いことはあるでしょう。50代にもなれば人生に諦めがつきますが、30代だと希望があっただけに絶望した時の深みに勝てないこともあるってもんです。
「どうせ人類はそんなに長持ちしないんだから、そう慌てることはない」とも言いたくなりますが、どうせ長持ちしないんだから、早いこと自分で終わらせようと思う人もいましょうね。
私はどちらかというと、「どうせ人類は長持ちしないんだから、そう慌てずに、最後の瞬間を見てやろう」と思うかな。最後の瞬間までは私は生きてはいないでしょうけど。
相変わらず、世界は少しずつ終りに近づいていて、アジアやアフリカで豪雨や洪水が起きていますが、最近ではフィリピンのスーパー台風ライ(Rai)による被害が甚大です。
13日に発生し、一昨日(20日)、やっと熱帯性低気圧に変わりましたが、ライの残した傷跡は大きくて、死亡者と行方不明者を合わせて400名以上に達し、40万人が避難。被害が大きかったのは農業、漁業地域とのこと。
スーパー台風とは?
日本の報道でも「スーパー台風」という冠がついていますが、 これはただのメディア的形容ではなくて、ハワイの基地内にある米軍合同台風警報センター(JTWC) に定義されたもので、台風として最大規模のものを指し、風速67m/s以上が基準です。
このクラスの台風は過去にも起きていて、日本にも上陸していますから、「いつものこと」ではあるのですが(日本に到達するのはごくごく稀です)、地球温暖化によって、その数が増えています。
温暖化は台風の発生を増やすと以前は見られていて、事実、そう見える年もあるのですが、今は台風の件数を減らすと同時に、巨大化を進めるという説が有力です。
どうしてそうなるのか私にはよく理解できないので、専門家の書いていることを参照してください。
台風の減少はこれまで台風が供給してきた水を確保できない場所が出てくるため、渇水リスクが増大します。巨大化は当然被害の増大を招きます。
発生するスーパー台風の数が増える上に、これまでだったら日本に上陸する前に勢力を弱めるのに、海水温度の上昇によってスーパー台風のまま日本に上陸する可能性も高まります。
※国立研究開発法人・海洋研究開発機構(JAMSTEC)「温暖化で台風はどうなる?」
スーパー台風・伊勢湾台風を初めてリアルに感じたCBCの番組
過去、日本に上陸した台風では、伊勢湾台風がスーパー台風だったとされています。最大風速は推測値で75m/sです(風速が計測されるようになったのは1977年で、それまでは推測値)。
2020年9月の台風10号が観測史上最大の風速を記録していますが、59.4メートルですから、スーパー台風には及びません。それを超えるスーパー台風が今後は日本に到着すると危惧されているわけです。伊勢湾台風クラス。
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