スラブ圏のスイーツ「ブリンチキ」のブームが滋賀県彦根市から始まるか—食いてえ-(松沢呉一)
「ワレリー・ゲラシモフ上級大将負傷情報は誤報だったよう。アンドレイ・シモノフ少将死亡はほぼ確定—ひさびさの「ロシア将校戦死情報」」の続きです。
ウクライナ人受け入れの地域差
ここまで来日したウクライナ人たちが移住した先は、学生ビザで来ている人たちも受け入れている福岡県がおそらくもっとも多い。大分県別府市にも着々到着していて、市が経営の温泉施設もあるので、たぶん毎日タダで入れます。いいなあ。
この福岡・大分ライン以外では、東京・大阪・名古屋といった大都市が目立ちます。人口が多い場所に頼れる人が集中するのは当然だし、大都市の方が取材しやすいってこともありましょう。あとは北海道、宮城県、広島県、京都府あたり。
どこも自治体、企業やNPOが動いていて、公営住宅や職員住宅に無料で入れて、生活必需品も提供され、ふるさと納税から準備金みたいなものも支払われ、寄付があればそれも分配されていますので、少なくとも数ヶ月間生活するには十分です。
ただ、その上で地域差もかなりありそうで、大都市の方が財政に余裕があるから手厚く援助する傾向はありつつも、地域によっては地元企業が頑張ってます。たぶん上限は設定されているのでしょうけど、スーパーが毎日の買い物を無料にしていると報道されていて、あれはいいと思いました。酒飲みの人たちは酒を毎日飲めます。
また、地域によっては町内会が寄付を集めています。「なんとかしなければ」と動く住民がいるのは心強い。日本に来ている人たちは生活できるくらいには恵まれているので、金はウクライナやポーランドに送った方がいいと思うのですが、ウクライナ人たちがもらった金をさらに送ればいいのか。
やっぱりさ、金を出すんだったら、喜んでくれていることが見える形の方がよくて、スルーするだけだとしても、日本にいるウクライナ人に渡した方がいいですわね。
※別府市のサイトより、温泉無料とは書かれてない。
滋賀県彦根市からの提案
それらに比べると、今まであんまり話題になっていなかったと思いますが、彦根市から素晴らしい動きが始まりました。
ブリンチキってナニ? 鶏肉を入れたスイーツってどんなんだよ。食ってみたい。と思う人が多いでしょうから、近隣の人たちが一度食べるだけでも当面やっていけそうです。
未知のものを体験したい私も少なくとも一回は食います。
ざっくり言えばパンケーキですが、皮は薄くて、中身が厚いクレープに近いようにも見えます。鶏肉だけでなく、牛肉、キャビア、魚肉を入れることもあって、こうなると、春巻きみたいなものでもあります。
スイーツのようでありつつ、軽食のようなものでもあり、日常的に食うものでもありつつ、お祝いの時に出されたり、客人に出されるものでもあります。
ブリニィ、ブリンチキ、ナリスニキ
スラブ圏では広く食べられていて、作り方や名称はさまざま。ロシア語ではブリニィと呼ばれ、その小型形がブリンチキ。小さいブリニィをブリンチキと呼ぶのではなくて、日本語で「餅」を「餅っ子」と呼ぶような表現のことです。ウクライナではナリスニキとも呼ばれるそうです。
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