「プーチンこそヒトラーだ」と的確に指摘した人々が続々逮捕されている—ロシアでなされるナチス認定の内実-(松沢呉一)
「血を洗い流すことはできない」のその後
「国民の大半が「このままでは損をする」と思った時にプーチン政権は綻びる—全体主義体制における賢い生き方[6](最終回)」の追記です。
「血を洗い流すことはできない」のナタリア・ペロワは警察に連行されたと書きましたが、この時はすぐに釈放され、6月1日に再度警察に連行されました。また、もう一人のリュドミラ・アネンコワも連行されています。今現在2人とも警察に拘束されているようです。
道路使用許可を得ていない点につき、軽い犯罪で済むと思ったら、軍を侮辱した容疑をかけられているらしい。なんであれだけで軍の侮辱になるのかわからない。「あれではロシア軍は民間人を殺したり、怪我を負わせたりしているようではないか」ってことかもしれないですが、現にやってるだろが。といくら指摘してもロシアでは通じない。
SOTAのTelegramアカウントがこの行動の報告をしていて、SOTAはサンクトペテルブルク拠点の独立系メディアで、編集長はとっくに「外国エージェント」のリストに入れられています。ということは内容は信用できそうです。
5月30日には、SOTAのジャーナリスト、ペトラ・イワノフが、サンクトペテルブルクの自宅近くで2人の男たちに襲撃されて、負傷しています。
青い液体の入った瓶は犯人が手にしていたものですが、使用はされませんでした。ロシアではよくやるように顔にかけようとしたのでしょう。
暴漢たちは捕まっていないので、その目的は不明ですが、イワノフ自身はジャーナリストとしての活動に関わっているだろうと見ています。
ロシアの司法は、手続きを踏んで、デタラメな判決を出しますが、民間人は手続きを踏まずにデタラメをやります。これがロシアの特徴であり、怖さでもあります。
ロシア国内でナチス関連の摘発が相次いでいる
最近、ロシア軍の戦車がぶっ飛んだり、ロシア空軍機が墜落したり、ロシアの兵隊が逃げ惑ったりする映像をあんまり観てないです。映像が出てこないだけで、ウクライナ軍も相当に被害を出していて、そのことを考えると、ロシア軍がやられている映像を観て喜んでられません。
その分、入隊事務所に火炎瓶が投げ込まれる事件や、反戦思想によって職場を追われた人のニュースをよくチェックしています、私はもともと軍事関係よりも、プロテストへの興味が強いものですから。
そういった記事をチェックしていると気づくことがあります。ロシアでもそんなに大きな話題になっているわけではないですが、ナチスがらみで摘発される例が増えているように思えます。
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