松沢呉一のビバノン・ライフ

要友紀子の全国風俗街キャラバンに猛烈に感激しました—未来を作ろうと奮闘する人と過去の再生産をやるだけの人たち-(松沢呉一)-[無料記事]

 

要友紀子らしい選挙活動

 

vivanon_sentence昨日の続きを出す予定でしたが、その前にこの話。

昨日、これを観て猛烈に感動しました。

 

 

いったい今までどこの誰がたすきをかけてソープランドの中にまで入って選挙活動をやったでしょうか。つうか、要友紀子は岐阜まで行っておきながら金津園でしか選挙活動をしていないのではなかろうか(笑)。なにしろ選挙カーもない選挙戦です。

これを観るまで、私は「もっと現場に近いアプローチをしないと広がらないのではないか」と思ってました。文化人的アプローチ、アカデミズム的アプローチにも意味はあるけれど、人を入れ替えて繰り返しても同じところにしか届かんぞと。

ただ、今回は時間がないなかで奮闘していて、何もしていない私が「ああしろ、こうしろ」と指図するのはおこがましいので、今回の反省点として次回に活かせばいい。

そう思っていたところでこれが出てきて歓喜して、その気持ちを伝えたくてすぐさま電話をしました。そん時はつながらなかったですけど、数時間後につながりました。

要友紀子は昨日はススキノで選挙活動。北海道まで行って、ススキノだけで選挙活動(笑)。

「コロナで潰れた店も多くて厳しい」

そういうことはしっかり見てます。

 

 

要友紀子候補は未来を作っている

 

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このアイデアは要友紀子自身によるもので、今回の選挙戦でこれこそをやりたかったのだそうです。

広く認識されていないでしょうが、SWASHは厚労省や東京都からの依頼で、性感染症に関する調査や啓発活動をやったりしています。まさにこうやって一軒一軒の店を回って協力を依頼します。ただの話題作りでこの動画を作っているのではなく、SWASHの活動そのものなのです。あの笑顔がそれを物語っています。

この活動ができる団体は他にない。多数の議員が日本にはいて。客として行くのはいても、控室まで入って性風俗店で働く人たちの声を聞こうとする議員はいない。

要友紀子はこの選挙で時代を作り出し、未来を作り出していることを実感しました。要友紀子は月面宙返りを今まさにやっています。これは次の世代の意識を変えるし、国外のセックスワーク関連団体への影響も多大です。世界各国で奮闘している人たちを勇気づけます。

猛烈に感動をすると同時に自分のふがいなさを恥じてもいます。正直、私はもうセックスワーク関連のことは諦めに入ってました。いくら言っても変わらない。この手のネタは商業的に成立しない。「ビバノン」で書いても読まれない。同じ事を繰り返すことにも疲れました。

対して「敵」は「かわいそうな女たち」の再生産を着実にやって、「女は子どもと同じで自分で決定できない弱い存在」という思い込みを強固にしています。その物量には勝てない。

要友紀子も繰り返し壁に当たってますし、誹謗中傷もされながら、それでもめげずにここまで来たのは天晴です。彼女は壁に向こうに飛躍できる力を秘めています。

感動しつつ、私は引き続き、彼女が言っていることの解説めいたものを地味に書いていきます。私がいくら書いても飛躍力がないので、同じところにしか届かないですが、それもまた10年後の月面宙返りへの一助になると信じて続けます。

「全国風俗街キャラバン」の話は続きます

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