サル痘が日本に上陸しても騒ぐ必要はない—厚労省発表の「ワクチン後遺症疑惑報告」に脱毛があった-(松沢呉一)
サル痘感染者が日本でも発見さる
英国では熱波で緊急事態宣言が発令され、米カリフォルニアでは山火事で緊急事態宣言が発令されました。WHOはサル痘で緊急事態宣言を出しました。新型コロナの緊急事態宣言は、おおむね終了したと思ったのに、世界は緊急事態宣言だらけ。
一昨日は、日本でもサル痘感染者が初めて確認されたことが発表されました。いくつかの理由から、気候変動によって未知の感染症が出てきたり、今まで問題にならなかった感染症による死者が急増したりすることが予想されていたわけですが、ホントにそんな感じっすね。まだまだ来まっせ。
サル痘については今なおわからんことが多いので、警戒するに越したことはないとは言え、騒ぎ過ぎは弊害もあることが新型コロナで重々わかったので、その反省を活かして、冷静に対処することも大事だと思います。今後次から次と人類は感染症に襲われるのに、いちいち騒いでられないって。
※2022年7月25日付「NHK NEWS WEB」
WHOが言う「偏見や差別」
WHOが「偏見や差別」を誘発することを警戒している旨を強調しているため、あんまり具体的なことは報じないようにしているメディアが多いようですが、感染者の圧倒的多数が男であることでわかるように、男性間の性行為によって感染が拡大しています。HIVが死なない病気になったので、生でやりまくっている人たちがまた増えているみたいです。
おっと、「生でやりまくってる」なんて書くと、「デイリー新潮」が「卑猥」と難癖をつけてきます。新潮社と言えば、朝日新聞的良識を疑うのが真骨頂だったのに、いったいいつから薄っぺらな良識をふりかざす公序良俗派になったんやら。新潮社全体がそうなったはずはなく、「デイリー新潮」全体がそうなったはずもなく、お上品な個人がいるだけでしょうけどね(正確には、取材力のなさ、知識のなさを糊塗するために、どっかから上品さを借りてきて要友紀子を貶めようとした無様な個人がいるだけだろうと想像します)。
男女間でも感染例はありますので、ヘテロだから安心というわけではありませんので。コンドームをつけるに越したことはない。肝炎など他の感染症リスクもありますから、ケツなめはほどほどに。
しかし、死亡例はアフリカ大陸に集中していて、HIVとは全然違います。日本で感染したところで死ぬことはめったにないと思われるので、そんなに恐れることはない。まだどうなるかわからんので、少しは恐れていた方がいいとして。
サル痘には天然痘ワクチンが有効とされていて、日本では1976年まで天然痘ワクチンの接種が行われていたため、40代後半以上は感染しない可能性が高い。今回日本で確認された感染者も、30代ってことですから、非天然痘ワクチン世代です。
つうことで、天然痘ワクチンを接種した世代は今まで通りで大丈夫じゃないですかね。知らんけど。
ところで、WHOが「偏見や差別」を憂慮しているとされていますが、この「偏見と差別」はStigma&Discriminationです。スティグマを「偏見」と訳すと、意味がずれてしまいますが、「烙印」と言ってもわかりにくいですしね。ここはそのまま「スティグマ」としてもいいかと思いますが、スティグマと言うと、「デイリー新潮」と同様、自分の無知と不勉強を武器にして難癖をつける呆れた輩(これで弁護士)が湧いてきます。WHOも頻繁に使用している用語ですから、差別問題にもう少し関心を持ってから発言した方が馬鹿にされずに済みます。
※2022年6月15日付「Bloomberg」
「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」
ここに来て、近いところでも、新型コロナに感染した人が複数出ていて、また、同居人が感染したために濃厚接触者となって外出できなくなった人も出ていて、今回は今までにない感染の拡大をひしひしと感じます。
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