ロシアから脱出したポルノフィルミとダニラ・トカチェンコ—今もロシアで闘うBFMTH-(松沢呉一)
2022年08月04日 6時56分
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タグ : ウラジミール・コトリャロフ(Владимир Котляров) • グリゴリ・ムムリコフ(Григорий Мумриков) • ダニラ・トカチェンコ(Данила Ткаченко) • ポルノフィルミ(Порнофильмы) • メデューザ(Медуза) • ロシア連邦保安庁(FSB/Федеральная служба безопасности Российской Федерации)
ロシアから脱出してきた人たちも日本に来ている
昨日の夜、スーパーに行ったら、冴えない感じの若い外国人3人組が買い物をしていました
惣菜が一部2割引とか3割引になっていたのですが、ひとつひとつスマホの電卓で計算して買ってました。割引価格がいくらなのかと同時に、円に慣れていないので、自国通貨に換算していたのではなかろうか。ずいぶん時間をかけていたわりには、それぞれとんかつやメンチカツを買っただけだと思います。
言葉からして、たぶんスラブ系です。3人中2人は黒髪でアジア系の顔つきだったので、ロシア人じゃないかな。アゼルバイジャンとか、そっちの方かもしれないけれど。
ロシアから多数のミュージシャン、研究者、ジャーナリスト、IT技術者が脱出していて、その数は100万人以上とも言われていますが、留学という形で国を出ているのも多いはず。反政府派・民主派だけじゃなく、徴兵されかねないので逃げるのもいそうです。
金持ちの子どもだったらいいけれど、そうじゃなければ経済的余裕はない。ウクライナ人と違って授業料はかかるし、寮も有料。支援金なんて何もない。時にはロシア人というだけで差別されます。
真面目そうなヤツらだったので友だちになりたかったのですが、なんて声をかけていいのかわからんです。ヤツらが銭湯に通っていれば話しかけやすいのに。
彼らが本当にロシア人かどうかわからないですが、今までウクライナ人らしき人たちを見かけたことはありません。言葉を聞かないとわからないですが、言葉まで聞こえたことがないのです。
7月31日現在、日本が受け入れたウクライナ人は1,607人。もっとも多い都道府県は東京都で、322人。以下、神奈川県110人、福岡県104人、千葉県71人、愛知県68人と続きます。
結局、首都圏が多いのですけど、他のニュースにまぎれてしまって、あんまり取り上げられない。しかも、東京都立の住宅で、余裕のあるのは都下に多そうで、23区内には各区10人くらいしかいないのかもしれず、こっちからイベント等に出かけていかないと知り合えないだろうと思います。
でも、私は情報の多いウクライナ人より、脱国ロシア人の話を聞きたいです。
※法務省のサイトより、7月31日現在の数字
ポルノフィルミのウラジミール・コトリャロフは語った
うちのパソコンからは開けないので、スマホで見ているわけですけど、毎日欠かさずと言っていいくらいにロシアの独立系メディアであるメデューザをチェックしているのは、国内で抵抗しているロシア人や国外に脱出したロシア人をフォローしているからです。
数日前に、「ビバノン」で前に取り上げたポルノフィルミのウラジミール・コトリャロフの長いインタビューが出ていました。
彼らはロシアのクリミア半島への侵攻の際に批判する曲を出しています。
しかし、今回は曲を出していないのは、忙しかったからだと言ってます。ウクライナ支援のためのコンサートをポーランドやジョージアでやってましたし、はっきりとは言ってないですが、国外に活動拠点を移したようで、これも忙しかった理由でしょう。
不安なのは生活ができなくなることではなくて、プーチンが戦争に勝つこと
彼にとってロシアのウクライナ侵攻は心底衝撃だったらしく、すべては戦争前と戦争後に分けられると言ってます。しかし、ロシアがウクライナに侵攻するかもしれないことはロシア軍が国境近くに集まっていたことである程度は予想できていましたし、クリミア半島への侵攻も過去にありましたから、寝耳に水ってことではない。
戦争が始まってもっともショックだったのは、戦争を支持する人たちが多数いたことだ。そんな人々の隣に住むことはできない。
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