3ヶ月ぶりの「ロシア将校戦死情報」とロシア支配地域でのパルチザンの暗躍-(松沢呉一)
ニコライ・ゴルバン中佐の戦死確定
5月3日に更新した「ワレリー・ゲラシモフ上級大将負傷情報は誤報だったよう。アンドレイ・シモノフ少将死亡はほぼ確定—ひさびさの「ロシア将校戦死情報」」を出して以来、3ヶ月ちょっと「ロシア将校戦死情報」を出してませんでした。戦死情報ファンの皆様には寂しい思いをさせてしまいましたが、8月2日にFSB特殊作戦局のニコライ・ゴルバン中佐が戦死したことが3、4日前に報道されてました。
FSBの階級は軍階級と同じ基準なんですかね。その辺の組織横断の関係が私はよくわからんですが、FSBの戦死者としてはこのゴルバン中佐が最上級だそうです。
ニコライ・ゴルバン中佐はシリア内戦に参加して勲章を授与されています。今回はスペツナズを率いていたらしいのですが、「ウクライナのどこか」で死亡したとのこと。何も言ってないに等しい情報ですが、すでに彼の功績を讃える表示がFSBの建物に出ているとのことなので、死亡したこと自体は間違いなさそうです。
どういう状況だったのかもわからないですが、トップが死ぬくらいですから、彼が率いていたスペツナズも全滅ではなかろうか。ざまあ。
この2ヶ月ちょっと「ロシア将校戦死情報」を出していなかったのは、それに該当する情報を目にしていなかったからですが、改めてWikipediaの「2022年ロシアのウクライナ侵攻で死亡したロシア軍高級将校の一覧」をチェックしたら、6月にも2名戦死した模様です。
ドネツク人民兵第1軍団司令官ロマン・クトゥーゾフとロシア陸軍第29諸兵科連合軍司令官ロマン・ベルドニコフです。後者は未確認ですが、前者は確定です。
ロシアの司令官の戦死は、確定分だけでニコライ・ゴルバン中佐で11人目じゃなかろうか。もう正確な人数がわからなくなってますが、どの階級をカウントするのか、未確認までをカウントするのかによって数字が違ってきます。
※2022年8月8日付「Mail On line」 写真が歪んでますが、これはFSBに貼りだされた表示をカメラで撮ったものだと思われます。
クリミアのロシア軍飛行場の弾薬庫爆発はバルチザンの仕業か?
英米とも、ロシア軍はウクライナ侵攻開始からこれまでに7万人から8万人のロシア兵が死亡または負傷(すぐさま再起ができないレベルの負傷でしょう)していると見ていて、とくにここに来てロシア軍の損失は激しく、ロシア軍は敗北に向かってまっしぐらという見方が強まっています。
傭兵会社のワグナー(ワグネル)がキルギスやウズベキスタンなど中央アジア諸国で兵士を募集していますが、「訓練されていなくても、数がいれば戦争に勝てる」という考え方はもう通じないと学んだ方がいいのに。
それよりハイマースなど、ウクライナに供与された最新兵器の活躍が目覚ましいわけですが、私が注目したのはこれです。
(残り 644文字/全文: 1907文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ