ダリア・ドゥーギナ爆殺事件はロシア右派内の対立によるものか—1週間前に出しそびれた記事-(松沢呉一)
タグマ!がメンテのために2日間休みになり、それが終わってもログインできない状態になってました。「なんだよ」という気持ちと、「これで休める」という気持ちとどっちもあって、どっちかと言えば後者の方が強くて、その解消を積極的にしようとせずに、1週間ほど休んでしまいました。夏休みです。
やっと復旧したのですが、この1週間、ずっとアニメを観て、その原作漫画を読んでいて、ほとんどそれしかしていませんでした。それについてまとめるのは少し時間がかかります。とりあえず、復帰第一弾はメンテに入ることを忘れていたために出しそびれた記事です。
。その後、ダリア・ドゥーギナ爆殺事件がどうなったのか調べておらず、時制は書いた時のままです(冒頭の「数時間前」は先週月曜日のこと)。
今回のヴァージョンアップで、うちのボロPCではついていけなくなった点があって、このあとまた数日休むかも。
FSBがダリア・ドゥーギナ爆殺事件の共犯者を特定
数時間前からロシアメディアが盛んにダリア・ドゥーギナ爆殺事件の共犯者の名前をFSBが特定したと報道しています。
ウクライナ人のボグダン・ペトロヴィッチ・ツィガネンコは、7月30日に、エストニア経由でロシアに入国してナタリア・ヴォフクと合流し、偽のナンバープレートや書類を提供し、ともに爆発物を準備して、犯行の前日に国外に出たとのこと。
「子連れの単独犯の仕業とは思いにくい」との西側メディアの指摘に応じて、新たな噓情報を出してきたようにも見えます。エストニアから入国して、エストニアから出国したとわざわざ記述することで、昨今、ロシア人の締め出しを強硬に進めエストニアに牽制をしつつ。こういう浅はかなことをするからロシア情報はロシア国民以外への信憑性をなくす。
「ロシアの言うことはたいていデタラメ」であることは動かしようのない事実でありながら、また、これについても説得力がないながら、なお否定しきることはできない感触が私にはあります。
ウクライナに亡命した元国会議員イリヤ・ポノマレフが言っている「国民共和国軍の犯行」という説もまた説得力がない。むしろFSBよりもこちらの方がさらに説得力に欠けていて、ロシアの情報が正しいがゆえに拙速な噓情報をぶつけたようにも見えるのです。
※2022年8月29日付「Полит Навигатор」 FSBが共犯者を特定したことを報じるロシアメディア。全体主義国家の報道はそんなもんでしょうけど、メディア独自の取材も独自の視点もなし。
連続火炎瓶投擲事件を再度チェック
「国民共和国軍の犯行」についても、ただ否定するのではなくて、過去の火炎瓶投擲事件を読み直しています。国民共和国軍の名前までは出ていないにしても、背後に組織が存在するような記述がないか探しているのですが、今のところ見つかってません。
リアルタイムにはチェックしていなかった火炎瓶事件がいくつもあって、6月にはクラスノダールのFSBの建物にも火炎瓶が投げられています。これはまだ明るいうちの犯行で、投げた男は逃げようともしなかったらしく、その場で捕まって、名前も公開されています。黄色と青のインクのチューブ持っていたとのこと。ウクライナカラーの落書きでもしようと思っていたのでしょう。
あっさり捕まること自体、組織的、計画的な犯行には見えません。
さまざまな反政府運動の中には、組織的なものも存在すると思うのですが、その多くはデモやビラの配布など平和的手段をとっています。
爆発物や銃を扱うような国内パルチザンでもっともあり得るのは少数民族グループです。過去にロシア政府と闘った人々が地下に潜っている可能性は十分あります。
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