軍事会社ワグネルのサイトから個人データをウクライナIT軍がゲット—ルハーンシク州のワグネル兵舎をハイマースが完全粉砕—囚人を集めるワグネルの末路-(松沢呉一)
ウクライナIT軍がワグネルのサイトをハッキング
ロシアの民間軍事会社ワグナーってありますね。プーチンと仲のいいオリガルヒ、エフゲニー・プリゴジンが経営している傭兵会社です。莫大な金が流れこんでいて、その一部はプーチンの懐に入っているのだと思われます。戦争をやると肥えるヤツら。ホントむかつく。
ロシア語でもウクライナ語でもワグナーのスペルはВагнер(ウクライナではВагнераというスペルも見ます。どう違うのはわからず)。発音はちょっと違って、ロシア語ではヴァグネル、ウクライナ語ではヴァーネルに聞こえます(Вагнераの場合はヴァーネラかと思います)。ロシア語のヴァはワに近いので、ワグネルという日本語表記もよく見ます。
ワグナーは英語読みですが、作曲家であればワーグナーが一般的であり、ワグナーはなんか中途半端なので、ここからはワグネルで統一します。
そのワグネルのサイトにウクライナIT軍が侵入し、傭兵の個人情報をゲットしたことをウクライナのミハイロ・フェドロフ・デジタル大臣が19日に公表。どうやら傭兵全員分のようです。
これで戦争犯罪者の特定がやりやすくなります。写真までついていれば完璧ですが、ついていないとしても、SNSでリンクさせることは可能でしょう。
※2022年9月20日付「Все」 ウクライナ・メディア。私が見た時はすでに元通りでしたが、おそらくこの図版の背景に使用されている死体写真がサイトに表示されていたのだと思われます。
ワグネルの兵舎がハイマースで木っ端微塵
これと連携しているのかたまたまなのか、同日、ルハーンシク州カディーウカ市にあるワグネルの兵舎がハイマースの攻撃で全壊(「傭兵基地」とも書かれている)。
動画も出てますが、煤けた建物の手前に兵舎があった模様です。残された建物は芸術文化センター。この庭にロシア軍は兵舎を建てていて、そこだけが爆破されているのです。なんちゅう正確さ。ハイマース、すげえ。
死傷者数は明らかではないですが、中に人がいればほとんど死んでましょう。
傭兵ですから、金のために好き好んで戦争をやっています。ためらうことなく「ざまあ」と言えます。
これに限らず、ルハーンシクでのウクライナ軍の進撃は順調のようです。ウクライナ軍は最前線での取材を許可していないので、正確なことがわからないのが残念です。
※2022年9月19日付「NV/THE NEW VOICE OF UKRAINE」
ワグネルの傭兵になった囚人のインタビュー
ワグネルがらみではもうひとつ話題があります。
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