マッサ・アミニ事件の怒りが世界に拡散/ロシア人YouTuber続々ロシアから脱出—ここまでの補足と追記-(松沢呉一)

2022年09月29日 11時10分　
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マッサ・アミニ死亡の抗議は世界に拡大し、死者も増え続けている

宗教警察に殺されたと言っていいマッサ・アミニを発端とするイランのプロテストはなおやむ気配はなくて、9月28日までに少なくとも76人が死亡。映像が多数出てますが、実弾を人に向けて撃っていますので、そりゃ死ぬわさ。不当な死に抗議しているだけなのに、なんでこんな数の人が殺されるんだか。そりゃ、プロテスターたちも車に火をつけたりしてますけどね。

バイデン米大統領やオラフ・ショルツ独首相などの政治家や人権活動家、文化人、俳優、ミュージシャンらが言及し、イラク、シリア、トルコ、ギリシア、オランダ、ドイツ、フランス、英国、米国、チリなどにも飛び火し、各国のイラン大使館への抗議が続いています。

ギリシャで真っ先にプロテストが始まったのは、イランから逃げてきた人たちが多いためのようです。この動画にあるように、アテネではプロテスターが警察と激しくぶつかってます。男も女も。他にロンドンでも激しくぶつかっています。

各地で逮捕者が出ているわけですが、イランでは元大統領の故ハーシェミー・ラフサンジャーニーの娘であるファーエゼ・ラフサンジャーニーも逮捕されています。彼女は改革派の政治家です。

謝ることができない人々

政府の姿勢、警察や宗教警察の姿勢全体に関わることですから、根本的な解決のためには、それら総体の検証が必要ですが、とりあえず事を収めるために、宗教警察の担当と上司を処分して、「再発防止策をとります」とかなんとか言ってトップが謝罪すれば済むのに、なんでそれができないんですかね。

トカゲの尻尾切りでしかないですが、中国が得意なように、これはこれで効果があるってもんです。何十人も死んでからでは謝罪したって遅いわけで、すぐさまやるべきでした。

謝罪すると責任をとらなければならないので、生活のため、家族のために謝れないってこともありましょうが、トカゲの尻尾切り方式は、もっとも責任がある人たちは責任から逃れ、すべて下っ端のせいにするずる賢い方法です。

それができないだけでなく、イラン政府は記録を偽造して、マッサ・アミニが心臓病を患っていたと見せかけようと画策していたことが明らかになっています。持病のための心不全だったとごまかそうとしていたのです。この偽造は依頼された医師がばらしたのか、頭蓋骨のCTスキャンから暴行による頭蓋骨骨折が見つかったために無効となった模様。ずる賢いのではなく、ずる馬鹿。ロシアっぽいとも言えます。

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