本日からフィンランドはロシア人の入国拒否—ジョージアでも国民の反発強まる-(松沢呉一)
フィンランドがロシア人の入国を拒否
本日からフィンランドがロシア人の入国を拒否です。せっかく並んでいたのに入国できなかった人たちもいるんでしょうね。かわいそうに。電車に乗って遠くの町にある人気ラーメン屋に行って、2時間並んでいたのに、目の前で「スープが終わりました」と言われた時の10倍くらい悔しい。
そうすっと、いよいよジョージア、カザフスタン、モンゴルにロシア人が集中するため、これらの国も国境を閉ざすか、少なくとも入国を制限するしかなくなりそうです。
ジョージアでは、政府は容認なのに対して、国民から「ロシア人お断り」の動きが強まっています。
ロシア人の入国に反対している人たちの中にはウクライナ人もいます。
ざっくり説明したように、短期で見た時に経済的に潤うからといって、首都の人口の1割を越えるロシア人を受け入れると波風が立つのは当然で、これを排外主義で片付けることはできません。短期間に日本に100万人以上の外国人が入ってきて(100万人という数字はジョージアの人口との対比から割り出した数字です)、道路は渋滞するわ、公共交通は混みあうわ、家賃は上がるわ、物価は上がるわに耐えられるかって話。もしそれでもいいなら、世界各国が持て余しているロシア人を日本が全部引き受ければいい。私は反対。
ジョージアにも「戦争が終わるまでの一時避難のようなものだから大目に見る」という考え方がある一方で、ロシア人は一時の旅行者気分だから受け入れられないということもあります。どっちの考え方もあり。
とくにジョージアでは、南オセチアの前例がありますから、いかに戦争に反対しているロシア人だからと言って受け入れにくい人たちがいるのは当然。
地下活動をやるといい
ロシア人をジョージアに入国させることに反対しているウクライナ人プロテスターも言っているように、そもそも逃げてきている人たちが本当に反戦派、反プーチン派であるかどうかはわかりません。大半はそうでしょうが、数日前まで「戦争賛成・プーチン支持」と言っていたのに、自分が徴兵されるかもしれないとなった途端に逃げ出した人たちも混じっている可能性が十分あります。
「戦争大賛成、侵略大賛成、ウクライナ人虐殺大賛成、プーチン万歳」のペスコフ報道官だって、自分の息子となると、「戦争に行かせない」となるのと同じタイプの国民はいっぱいいるでしょう。
こういう連中は、自分が戦争に行かなくていいとわかれば、また「戦争反対・プーチン支持」になるだけ。
(残り 1524文字/全文: 2650文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ