逃げるだけのロシア人たちを見て考えを変えました—プーチンに核兵器を使用させないために[上]-(松沢呉一)
核兵器を使用させないためにはロシア人の蜂起が望ましい
クリミア大橋を爆破された報復として、無能なロシアなりの報復をして、適当にミサイルをウクライナに打ち込んだように見えながら、1日2日で準備できることではなくて、前々から準備していたことを報復にかこつけてやっただけという見方が有力です。
どちらにしても、最初っから民間人を標的にして恥じない無法国家は無敵です。それに対抗する側はロシアと同じ人間以下の存在に落ちることを避けるので、一方的にルールで縛られてしまいます。
プーチンのやっていることはクソガキと一緒ですから、これ以上追い込むと核兵器を使用しかねない。どうしたらそれを避けられるのか。この難問は「どうしたら、この戦争を終わらせられるのか」という難問にもつながります。
ウクライナはクリミアを取り戻すまでは引かないでしょうし、そうする資格もあります。しかし、クソガキは決して許さない。そんなことになったら核兵器を使いかねない。だからと言ってそれを恐れてロシアに屈服するのではクソガキの天下になってしまいます。
ロシア軍の侵略が始まって間もなく、プーチンを批判するロシア人の中には「この問題はロシア人が解決するしかない」と言っている人たちがいました。これこそが答えだと思いますので、ぜひ実行してもらいたい。
イランでは若い世代を中心に、数千人が逮捕されていて(万に達しているとの説もあり)、3週間ほどで200人以上死んでいます。1日10人。それでも勢いは衰えていません。むしろ激化しています。「我々は死を恐れない」といったことを言っているプロテスターもいて、実際、そうとしか思えない。
対して、ロシア人は国外に逃げる勢いだけは超一流で、闘う気概はあんまり感じられない。他国に迷惑をかけている分、こっちこそ全力で闘うべきなのに。もちろん、全力で闘っている人もいますが、絶対数が少ない。「イラン人のように死ね」とは言えないですが、国外に出たら、もっと闘っていいのではないか。
※2022年10月10日付「BBC」 この記事を読んでも、クリミア大橋の爆破は、海上ドローン、つまりは無人船説が有力。
「逃げられる人は逃げればいい」と言ってきたのは、逃げた先で闘うことが前提
私は「逃げられる人は逃げればいい」という考えなのですけど、ことあるごとにそう言っているのは、逃げることを非難する人たちがいるからです。その非難は、逃げられる人たちでも逃げられなくなる空気を作り出します。また、逃げることを非難すると、逃げた人はずっと後ろめたさを抱えてひっそりと生きていくしかなくなります。それよりも逃げた先で堂々と大声でプロテストを続けた方がいいじゃないですか。国の外でも戦い方はいっぱいあるんだから。
長年闘って、刑務所にも入れられていたプッシー・ライオットのメンバーも、今回は遂に国外脱出するしかなくなって、プッシー・ライオットの主要メンバーはロシア国内にはほとんど残ってなさそうです。あるいはTVレインのようなメディアが国外に出て報道を続けているのを見ると応援したくなります。「ビバノン」でずっと取り上げてきたように、プーチン批判、戦争批判をしたためにブラックリストに入れられて、国外に出たミュージシャンたちも、プーチン批判を続けていましょう。
フランスに移住したゼムフィラは数日前にミニアルバムをリリース。以下は本人のチャンネルから。
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