松沢呉一のビバノン・ライフ

ロシアがポーランドにまさかのミサイル攻撃か?—NATOはどう出る-(松沢呉一)

追記:ボーランドによると、ミサイルはロシア製ということでしたが、ウクライナの迎撃ミサイル説が出ています。ウクライナが使っている迎撃ミサイルってロシア製? よくわからんので、もうしばらく様子を見ます。

 

 

ロシアがポーランドをミサイル攻撃か?

 

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ポーランドにロシア軍のものと思わしきミサイルが着弾して、2名が死亡。

 

 

米国機関によると、ロシアのミサイルだとしていますが、これに対する報復をするにせよ、しないにせよ、事実の確認が必須で、NATO各国が協議しているところです。事実を確定させるにはもう少し時間がかかりそうですが、ポーランドはNATO加盟国ですから、ロシアvs.NATOに戦争は拡大するかもしれない。

ウクライナとの国境の近くなので、ロシア兵が酒を飲みながら適当に撃ったミサイルによる誤爆だろうとも思えますが、いかにいい加減なロシアでも、何キロも目標から外れることがあるんですかね。ロシアだったらありそうな気はしますが、ロシアはNATOを巻き込むことで、「ほら見ろ、最初からNATO=ネオナチは、ロシアを侵略しようとしていたのだ」と国民の危機意識を高めて、全国民動員令を発布しようとしているのかと疑いたくもなります。

しかし、ロシアは自軍のミサイルであることを否定しています。「すんません。アル中の兵隊が間違えました。処刑しますので、許してください」と謝ればそれで終わったかもしれないのに、なんでもかんでもウソをついてごまかすロシアのいつものやり方がロシアの滅亡、あるいは人類滅亡の道を開いたか。

つってもまだなんもわからんので、もうしばらく様子を見ます。

 

 

戦争は予想できないことの連続

 

vivanon_sentenceずっと前から言っているように、この戦争が始まって、繰り返し実感しているのは、戦争はあまりに多くの要因がからむので、予想は困難ということです。

もちろん、予想できるものもありますが、1年前にいったい誰がウクライナで戦争が始まることを予想できていたでしょう。国境近くにロシア軍が戦車やトラックを集結させていることが衛星でわかってもなお大方の人は攻め込むとは思っていなかったはずです。いざ戦争が始まっても、ウクライナがこれほど耐えて、ロシアがあれほどマヌケだとは軍事や国際政治の専門家でも思っていませんでした。「まさか」の連続。

兵頭慎治高橋杉雄ら、防衛省防衛研究所の人たちが大活躍ですが、戦争のことばっかり考えているだけあって、発言が慎重です。知れば知るほど、発言が慎重になって、彼らは「そのような情報は得てないですが」「仮にですけど」「私論では」という条件づけをよくやります。それなしに断定することなどできるはずがないことをよくわかっています。

そのもっとも典型的な例がロシアは核兵器を使うのか否かについて問われた時でした。そのシーンを何度か観てますが、高橋杉雄氏はまず結論として「わからない」と言い、わからない理由を丁寧に説明していました。

「軍事の専門家の共通した認識ですが、核のボタンをどういう時に押すかは本人しかわからない」

ある程度の傾向くらいはあるとしても、本人ではない他人は推測し切ることは不可能。使わない兵器として存在してきた核兵器を使うことを前提にして脅しとして活用するような真似をプーチンがするとは予測できていなかった人たちが、どういう時にボタンを押すのかについてだけ的確に予測できるなんてことがあるはずがない。

 

 

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