松沢呉一のビバノン・ライフ

ロシアでは火災が続き、イランでは処刑が続き、中国ではコロナ禍が続く—ここまでの補足と追記-(松沢呉一)

 

工場火災の追加

 

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いろんなテーマの補足や追記ですが、まずロシアの爆発と火災の追加。

13日、サンクトペテルブルクにあるズベズダの工場で爆発がありました。

 

 

2022年12月13日付「 METRO」

 

当局の発表では人的被害はなし。

ズベズダは機械製造の会社ですが、ロシア海軍から多く受注している軍需産業ですので、この「メトロ」の記事も一連の怪しい爆発・火災の一つとしてカウントしています。

この中で「ロシアでは経済制裁で各社経営が厳しくなっているので、競合他社に放火している」との説を紹介しています。冗談でしょうけど、無法国家ロシアだったらありそうな気もしてきます。

また、本日15日早朝には、アンガルスク石油化学会社の工場で巨大な爆発があって、今のところ2名の死亡が確認されています。

 

2022年12月15日付「NGS24

 

ロシア・メディアです。アンガルスクはイルクーツク州。

爆発の衝撃が大きく、地面が揺れて、近隣の地震計に記録が残り、住民も最初は地震だと思ったとあります。

原因はガス漏れのようですが、競合他社がガス管に穴を開けておいて、警備員がタバコを吸ったんじゃないですかね。

これ以外にロシアではホテルや住宅での火災が起きてますが、たぶん通常の火災だと思います。

 

 

イランで次々と処刑

 

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イランでは死刑判決を受けたプロテスターたちの処刑が始まっていて、すでに2名が絞首刑になりました。

 

 

1人目は治安部隊への暴行、2人目は2名の民兵の殺害の容疑です。殺害したなら死刑やむなしかもしれないですが、弁護士はついておらず、逮捕から半月で死刑判決が出て、その数日後には処刑。指に包帯をしているのは拷問のためだと説明されてます。

マーサ・アリマルダニという人が解説をしていますが、彼女はオックスフォード大学の研究者。彼女が言うように、イラン政府は容疑者をひどく扱って処刑すれば抑止力になると考えています。野蛮人が考えることです。それがうまくいくケースもありますが、イランではかえって反発を強めて、プロテストを強化する結果をもたらしています。

各国は経済制裁を進めていて(ロシアへの武器供与が主眼)、こちらも反発を強めているだけかもしれないですが、イラン政府は道徳警察の活動を少なくとも一時的には停止したり、今まで数字を出していなかったプロテスト側の死者が300人を超えていることを認めるなどの姿勢も見せています(人権団体によると400人以上)。しかし、そう簡単に変わるとは思えないので油断は禁物。

 

 

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