松沢呉一のビバノン・ライフ

まだ続くロシアの大規模火災—プーチン国外逃亡計画の真偽-(松沢呉一)

ドローンとハイマースと火炎瓶と放火と漏電と煙草でロシア全焼—相次ぐ火災と爆破」「ロシアでは火災が続き、イランでは処刑が続き、中国ではコロナ禍が続く—ここまでの補足と追記」の続きです。

 

 

ロシア火災シリーズの新作はお菓子の倉庫

 

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ロシアの大規模火災はまだ続いています。

昨日、観た動画です。

 

 

 

16日の夜、ウラジオストクのカレルナヤ通りにあるヤシュキノ・クリョロという会社の倉庫から火災が発生し、2,000平方メートルが焼けたそうです。

クリョロ(крыло)は羽や翼のことなので、「やった、軍用機の格納庫か」とぬか喜びをしてしまいましたが、ヤシュキノ・クリョロはお菓子のメーカーでした。軍用機なら焼けていいけど、お菓子やその原料が燃えたのはもったいない。

小麦粉やチョコがいい塩梅に焼けて、周辺に香ばしい煙が立ち込めていたことでしょう。不謹慎ですが、人が死んでないようなので、人肉が焼けるニオイまでは考えなくていいんです。

ゴミ箱から発火したとのことで、タバコの火の不始末や恨みのある元従業員の犯行ということもあり得るのですが、ロシア社会はあちこちで動員と国外脱出によって必要な部門での必要な人員が欠けて、工場での事故・火災、製品の欠損・欠陥が生じており、倉庫も安全管理が手薄になっているのかも。

とくに軍隊内では熟練者が次々と死んでいくため、戦車や航空機の整備不良が深刻。とっととウクライナ軍に鹵獲されて整備してもらった方がいいです。

✳︎ヤシュキノ・ブランドでは、ウエハースのシリーズやチョコパイが人気のようです。

 

 

ウラジオストクで連日の火災

 

vivanon_sentence何にせよ、これだけ大規模火災が続くのは異常。この動画のタイトルは「the series of fires continues」。火災シリーズは翌17日の夜に続きます。

午後9時頃、同じウラジオストクのルースキー島にある倉庫が焼けました。

 

2022年12月18日付「DEITA.RU

 

DEITAはロシアの通信社です。

焼けたのは100平方メートルということで、前日に比べると規模は小さいですが、写真を見ると、ひと棟全焼って感じです。原因は不明。何の倉庫かも不明ですが、夜の倉庫には通常火の気はないですから(漏電や雷くらいか)、こうなると、いよいよプロテストとしての放火を疑いたくなります。タイトルに「また(ウラジオストクで)別の火災」あって、ロシア国内でも異常を感じて不安になっている人は多いでしょう。不安になったら放火してスッキリしたくなります。こうして火災は連鎖する。

 

 

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