松沢呉一のビバノン・ライフ

戦争を仕掛けたロシアから学んだこと—ロシアを脱出したTVレインがまたも存続の危機[追記編]-(松沢呉一)

ロシアを脱出したTVレインがまたも存続の危機」シリーズの補足編です。

 

 

戦争から学ぶ「移民・難民の受け入れ方」

 

vivanon_sentence

Colabo×暇空茜[傍流編]」は普段の数十倍のアクセスがありますが、ほとんどの人は該当記事だけ読んでお帰りになるのに対して、一部の人は他の記事も読んでくれてます。それが嬉しい。

とくに「ロシアを脱出したTVレインがまたも存続の危機」は「Colabo×暇空茜[傍流編]」の間に挟まれる形になったので、間違えてクリックした人がけっこういるようです。間違ってクリックしたのをきっかけとして、興味を抱いた人も少しはいると見えて、シリーズ全体のアクセスが増えてます。

地味な内容なのだけれども、私にとっては重要。「移民・難民をどう受け入れるべきか」という大きなテーマにとって参考になります。

暇空茜に訴えられたことで、上野千鶴子がクローズアップされ、「平等に貧しくなろう」発言を蒸し返されていますが、あの発言は移民受け入れは日本では無理なので、労働力を入れずに日本が貧しくなることを引き受けようという趣旨です。ストレートな排外主義ではないですが、結論としては排外主義と言っていい。

上野千鶴子のこの発言に対して当時私も批判しています。外国人受け入れが難しいのは事実ですけど、だからこそ奮闘している人たちがいるわけで、その努力を足蹴にするような発言が許せませんでした。

その上、自身はさんざん金を稼いできて、タワマンに住み、別荘も所有しているくせに、「私は特別」とばかりにあんな発言をしたら叩かれるのは当たり前。自身の資産を吐き出す覚悟があって言っているならいいとして、「平等に貧しくなろう」と呼びかけるだけ呼びかけておいて、「私」は除外されています。特別な存在ですから。

ちなみに「私は特別」という姿勢は日本の女流教育家たちの伝統であることは繰り返し書いてきた通り(嘉悦孝子棚橋絢子の言動を参照のこと。青鞜社の山田わかも同類。女子医の創設者である吉岡彌生も「女も前線へ」と煽りながら、東京に空襲が始まると、真っ先に疎開)。この延長上に、上野千鶴子はいます。なぜこんなことを言えるくらいに思い上がることができるのかについては別途論じる予定です。

✳︎「No Ukrainas uz Latviju Palīdzība Ukrainas bēgļiem Latvijā」 ウクライナ人に向けて、ラトビアはウクライナ難民を歓迎し、住居、就業、教育などの各分野で、どのようなサポートを準備しているか、どこに連絡すればいいかを説明しています。冒頭の「No」は否定の意味ではなく、ラトビア語で「から」の意味。「ウクライナからラトビアへ」という意味のタイトル。

 

 

プーチンが死んでもまたカルトの教祖をロシア人は選ぶ

 

vivanon_sentence

久々に取り上げる「ロシア人にインタビューしてみた」。今回はサンクトペテルブルク。

 

 

周りに誰かいないかを確かめ、それでも語れない人たちが続きます。「国民は政治に関心を持たないようにする」という不文律を守る人々。

 

 

next_vivanon

(残り 1423文字/全文: 2764文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ