松沢呉一のビバノン・ライフ

臓器移植をした人が続々死んでいるとの噂—中国のコロナ騒動は続く-(松沢呉一)

 

 

中国での死者数はおそらく数百万人

 

vivanon_sentence春節の大移動に伴い、10億人以上の国民が感染したと言われていますが、問題が噴出し続けてます。

公式発表の死亡者は現在20万人台のはずで、「少なすぎる」との声が国内外から出ていて、WHOからも正確な数字を出すように警告されています。

世界標準のカウント方式で、実際に何人死んでいるか不明ですけど、数百万人が亡くなっていそうです。国別に見た時にもっとも死亡者が多い米国で112万人。これを基準に考えても、中国ではこれまでに300万人から500万人くらい亡くなっていたとしてもおかしくない。

実のところ、中国政府も把握できていません。今も基礎疾患のある人の死因は基礎疾患が死亡原因としなければならず、病院のレベルでもデータが蓄積されていないようです(ここにSSを出した 2023年1月18日付中国語版「DW」参照)。

感染者が短期で急増したために病院に入り切らず、酸素吸入器はもちろん酸素自体が枯渇していると伝えられています。そのため、他の病気の患者でも超過して死亡している人が増えているはずです。それを含めると、死亡者は1千万人を超えているという試算も間違っていないのかもと思えます。

都市部では感染者が未感染者を超えているため、まだ感染していない人に対する風当たりが強く、入店お断りの店が出てきたりしています。店で感染して、後からとやかく言われるのがイヤってことかと思うのですが、中国ではどういう理由からか、短期で再感染する人が多く(1ヶ月で3パーセントが再感染)、未感染者を排除したって何の意味もないような。

 

 

脳炎で亡くなる若い世代と80代の共産党幹部

 

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中国の記事を読んでいて、さまざま気になることがありました。例えばウイルスが脳内に侵入して、基礎疾患のない若い世代が脳炎で亡くなるケースが増えているとか。

検索してみたら、以前から中国以外の国でもこういった症例は報告されていて、患者が急増する中で中国では顕在化しやすいってことかと思われます。

脳炎かどうか不明ですが、中国で絶大な人気のあった衣川川というコスプレイヤーが死亡したという記事が台湾メディアに出てました。基礎疾患はなかったのですが、それでも中国では新型コロナによる死であるとは言えないとのことでした。確かに中国メディアには彼女の死因が書かれてません。その代わりに、婚約者が彼女の死を報告していて、結婚間近だったことが衝撃だったようです。

このように、若い世代で死ぬのもいますが、全体からすると極一部であり、圧倒的多数は高年齢です。ゼロコロナ対策では、すべての国民が等しく感染しないようにしていたわけですが、方針転換をしても、高齢者や基礎疾患のある人を特別に守る対策をしていないため、この層がバタバタと死んでいます。

共産党幹部もたくさん亡くなっていて、70代80代の現役の幹部が多数います。党大会でも老人の参加者が目立ち、どうやら共産党には定年がない模様。

日本にいる中国人に聞きました。

「共産党には定年がありません。大きな失敗をして失脚しない限り、死ぬまで幹部はいい暮らしができます」

大学の教員でも70代で現役が亡くなってます。

「大学は日本と同じで、65歳定年が多いと思います。そのあと、優秀な人材や有名な人は名誉職として学校に残ります。現役の65歳以上の教授は名誉教授でしょう」

とのことです。

 

 

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