銭湯のおばちゃんと「年に二回しか湯を交換していない老舗旅館」の話—保健所の検査にも問題あり-(松沢呉一)
相変わらず、PCが不調で、図版の埋め込みができず、タグもつけられません。復調したらやります。
条例違反が発覚した理由
先週、銭湯に行ったら、いきなりおばちゃんが「年に二回しか湯を入れ換えていないってどういうこと?」と聞いてきました。そりゃ気になって気になって仕方がないのでしょうけど、その件について私が関心を持っているってどうしてわかったかな。
「循環湯の濾過装置できれいになると思っていたんじゃないですかね」
「でも、清掃をしていないんだから、浴槽に汚れがついたままでしょ」
「そうなんですけど、映像を観ると、木製の浴槽かもしれず、タイルに比べると目立たないかも(大浴場は石でした。下記参照)。汚くても歴史の蓄積ってことで」
「私らが見ればわかるけど、一般の客はわからないかもしれないねえ。条例無視は、コロナで客が減ったからなんですかね」
「いや、その前かららしいですよ。社長の会見でもはっきりしないのだけど、1990年代から無視していたかもしれないって言ってた」
「なのに、どうして今回は発覚したんですかね」
「そう言われると不思議ですね。同業者からのチクリかな」
「でも、同業者だって、他の旅館がどうしているのか、なかなかわからないでしょ。私は従業員じゃないかと睨んでいるの」
「それはありそう。コロナ禍で解雇された従業員が腹いせに保健所にチクったか。解雇されなくても、あの社長はムチャクチャ悪質なので、良心の呵責に耐えかねたのかもしれない」
生活保護費の不正受給に良心が耐えかねて告発したSioさんみたいなものです。あるいは若草プロジェクトの銭ゲバぶりに呆れて関係を断ったカルペフィデムLLCという団体みたいなもん。カルペフィデムLLCは、「(若草プロジェクトは)公金の不正利用の可能性が極めて高い」と、強く批判してます。前々からおかしいと気づいていたようですが、もう我慢できないってところでしょう。共産党の嫌がらせがちょっと心配。
温泉に行きたくなくなる
おばちゃんはそんなに報道を熱心に追っているわけではなさそうだったので、大丸別荘は虚偽申告をし、保健所の検査の時だけ塩素を入れる偽装工作をしていたことを教えました。
「ひどいねえ。でも、それは保健所も悪い。あれは九州でしたっけ?」
「そうそう、福岡県」
「東京も前は“いついつ頃に検査に行く”って事前に連絡が来ていたんですけど、それだとその時だけ基準をクリアしようとするので、今は抜き打ちになっていて、いつ来るかわからない」
区によっても違うかもしれないですが、都条例なので、おそらく東京都はどこも同じだと思います。
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