松沢呉一のビバノン・ライフ

Colabo問題ともつながる「女子供バイアス」—子ども食堂から男児締め出しの話を知って「ここまで来たか」と嘆息[上]-(松沢呉一)

 

 

子ども食堂から排除される男児と父子家庭

 

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WBPC問題を解明し、その責任を追及し、仁藤夢乃の虚言を指摘するには、フェミニズムとはなんなのかなんてことを知っておく必要はなく、仁藤夢乃もそんなことを真剣に考えたことはないでしょう。だから、「女子供バイアス」をああも振り回して恥じないわけで。

Colaboやその言い分を垂れ流す弁護団、朝日新聞、日本共産党はColabo批判はネトウヨによる反フェミニズムなのだとミスリードさせるべく躍起になってますが、本筋は「公金が正しく使われているか否か」「手続きが正当であったか否か」「生活保護費の不正受給指南があったのか否か」「東京都と他自治体との委託金の処理に不正があったのか否か」などなどでありますから、「女は子どもと同じく、無能で無力なので、社会は救済しなければならない」と考えている人でも、「一人あたり8,300円もの食事代が認められるのはおかしい」「WBPCでは救済できないのだ」と気付くためには、ハードルは上げないほうがいいと思っていましたし、今もそう思ってます。

しかしながら、「女子供バイアス」は、WBPC以外の場面でも悪影響を及ぼしており、これはこれで指摘していく必要があります。

以下のnoteが話題です。

 

福祉を奪われる男たち|男子の利用を拒否する子ども食堂

 

この一文のきっかけになっているのは、はてな匿名ダイアリーに出されたものですが、元はすでに消されているようで、以下はWeb Archiveより。

 

赤の他人の男が損をするのを願うのが女という性か

 

貧困家庭の子どもに食事を提供している子ども食堂の男性スタッフが、自分の経験談を書いたものです。自身、貧困家庭に育って、飢えに苦しんだそうで、その立場から、異常なことが起きていることに警鐘を鳴らしています。

 

ある種の社会的使命を持って手伝ってきたが、ある時から、妙なクレームが入る様になった。

端的に言うと「男子(男児)や父子家庭の子に食事を提供するのは如何なものか、控えて欲しい」というものだ。

要するに、男子は女子よりも食事量は多いし、父子家庭なら母子家庭よりも豊かだろうと。

それよりも女子や母子家庭への提供を優先すべきだと。彼女らへの支援が不足しては困るのだと。

 

男児や父子家庭の子に食事を提供するために、女子や母子家庭への食事が不足しているという事実などなく、被害妄想に基いて、クレームを入れてくるのです。その被害妄想は、男児や父子家庭への憎悪が動機だとしか思えない。狂ってましょう。

この話が事実として、全国に数ある同種の子ども食堂のうち、たったひとつの例外的な事例なのか、他でも起きているのか。「赤の他人の男が損をするのを願うのが女という性か」ではわからないのですが、「赤の他人の男が損をするのを願うのが女という性か」では、別の子ども食堂でも起きているらしきことが読み取れます。

 

 

 

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