松沢呉一のビバノン・ライフ

銭湯でよく見かけるようになった外国人観光客—宿の分散と迷子の増加-(松沢呉一)

 

 

フランス人高校生の銭湯体験

 

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YouTubeのボンソワールTVは時々観ていて、とくに最近の「フランスから来日した高校生40人」シリーズが面白かったです。

その1本。

 

 

この話には伏線があって、3ヶ月前に、番組の案内役であるアマ(アマンディーヌ)さんが、母国フランスに帰った時に、兄が勤務する高校を訪れます。

その回。

 

 

観光でその国に行ったところで学校の中には入れないですから、どこの国でも学校訪問はワクワクします。

この学校には、兄ちゃんとは別に日本びいきの教員がいて、その教員が顧問となって、日本語の部活があります。だいたいきっかけはアニメです。その生徒たちは日本に行きたいのですが、学校からのサポートはないので、休みの日にアルバイトをして金を貯めて、ついにこの4月に来日して、12日間滞在。

航空機代とそれだけの期間の宿代ですっ飛ぶので、多くの生徒には金銭的な余裕がないですけど、「ボンソワールTV」の視聴者からの寄付もあって、撮影にからめて屋形船で歓待したのが上の動画。スレてない高校生だと、これには感激しましょう。

来日時の動画は何回かに分かれているのですが、この屋形船のように、全員で行動することは少なくて、あとは何人かのグループに分かれて行動。引率教員と何人かは銭湯に行ってすっかり銭湯ファンになってました。

以下の冒頭(その部分からスタートする設定になっているので、その前を観たい人は手動で戻ってください)。

 

 

先生が「行く前に説明をした。先に体を洗うこと、静かにすること」と言ってます。先に体を流すのは当然として(洗うのはあとでもよし)、そんなに静かにしなくていいんじゃないか。子どもが走り回ったり、湯をかけあったりすると注意されますが、ダベる分には誰も不快には思わない。むしろ私はそういう会話を盗み聞きするのが好きです。

これとは別の動画でも、銭湯について語っている部分があります。そちらでは女生徒が「自分の体にコンプレックスがあったけど、みんな同じだとわかって解放された」みたいなことを言ってました。意外な効用。

なお、これがひとつのきっかけになって、「ボンソワールTV」は新しいプロジェクトを始動しているので、関心のある方はチャンネル登録をするとよろしい。

 

 

観光地ではない場所の銭湯でも観光客を見かけるように

 

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どうせ脱衣場と洗い場は撮影できないですから、軽く本人たちが語っていただけで、どこの銭湯かもわからなかったのですが、撮影しているのは浅草なので、あの周辺の銭湯でしょうし、おそらくスーパー銭湯です。

となると、浅草ROXのまつり湯かな。私も会員ですが、長らく行ってないです。

 

 

男女が一緒に行く時、人数が多い時、長時間過ごしたい時はスーパー銭湯がいいのですが、さっと入るだけなら、組合銭湯で十分。人前で全裸になることに最後まで抵抗のある人もいるでしょうから、安い組合銭湯でまず試すのが賢明。

もっとも観光客が多いエリアに近かった蛇骨湯はいつも外国人が多く来ていました。日本に住んでいる人もいたでしょうが、多くは観光客だったと思います。蛇骨湯はなくなりましたが、今も周辺にはいくつか銭湯がありますから、観光客が多数訪れているだろうと思います。

上野、新宿、渋谷周辺の銭湯も同じで、京都の銭湯でも外国人が何人か来ているのを見ました。

しかし、観光地を離れると、外国人の姿は減ります。入っている外国人たちは、観光客ではなく、日本に住んでいる人たちです。大学の近くでは、留学生だったり、大学の教員だったり。

そのはずなのですが、最近は観光するところがなさそうな場所にある銭湯でも観光客らしき外国人を見かけます。

 

 

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