ジョージアで連発するロシアがらみの騒動—国外脱出したロシア人たちの苦渋[追記編]-(松沢呉一)
「ロシア人が国外脱出するのは困難になってきている—国外脱出したロシア人たちの苦渋[2]」の追記です。
セルゲイ・ラブロフ露外相の親族がジョージアに入国していた
ジョージアでは騒動が連続して起きています。
YouTubeにはジョージアのニュース番組しか出ておらず、ジョージア語です。文字も現在ではジョージアでしか使用されないジョージア文字(国名はロシア語読みのグルジアからジョージアに変更されていますが、文字は今もグルジア文字とされることが多いよう)。
この映像は5月20日のもので、娘のエカテリーナ・ヴィノクロワ(Екатерина Винокурова)など、ロシア外相セルゲイ・ラブロフの親族がジョージアに滞在していることがわかり、宿泊先のホテルに野党を中心とした人々が抗議のために結集して、警察が排除しているところで。10人以上が拘束されました。
この騒動の中で、抗議者はロシア観光客を乗せたホテルのミニバスに卵を投げつけていますが、そのバスにはラブロフ一族御一行は乗っておらず、すでに彼らは予定を切り上げてロシアに戻っていたようです。
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彼らは親族の結婚式に出るためにジョージア入りしていたもので、式は別のところで行われ、披露宴がこのホテルで行われることになってましたが、これ自体が中止になった模様。
ラブロフ本人はともかくとして、親族までを排除しなくていいのではないかと思うところですが、娘は英米カナダの制裁対象です。
この人。
ロシア首脳の子どもは誰もが制裁対象になっているわけではなくて、立場を利用して得た金を家族名義にしていたり、親の威光を利用してビジネスをやっていたりする場合に制裁対象になります。
彼女の夫アレクサンダー・ヴィノクロフ(Александр Семёнович Винокуров)は実業家であり、ウクライナ侵攻に際して政府に資金提供をしたことでNATOの制裁対象に。ビジネス自体、外相の力が関わっているのかもしれない。
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