松沢呉一のビバノン・ライフ

ロシア科学・高等教育省次官ビョートル・クレチェンコの突然死をめぐる疑惑—不審死のひとつに過ぎない-(松沢呉一)

 

ロシア自由軍はパルチザンではない

 

vivanon_sentenceワクチン訴訟についての記事を読んでいる間に、ロシア自由軍ロシア義勇軍がベルゴロドに侵入。

国外ニュースについて、日本の報道はつねに遅れがちですが、とくに今回は広島G7サミットの後片付けで忙しかったため、半日あるいはそれ以上遅れての報道。

それはやむを得ないとして、ロシア自由軍をパルチザンとしている報道もあって、これはひっかかりました。

 

 

ロシア自由軍は非正規軍と言えても、「非正規軍=パルチザン」ではありません。

なお戦闘が続いているとの報道もあるので、落ち着いたらまた取り上げたいと思います。

 

 

ロシア科学・高等教育省次官が心臓疾患で死亡

 

vivanon_sentence

前回軽く触れた「亡命ジャーナリストと活動家がベルリンで毒殺された疑惑」については相変わらず詳しいことがわからないのですが、そうこうするうち、次の「疑惑の死」が報じられています。

 

 

ロシア科学・高等教育省次官のビョートル・クレチェンコ(Петр Кучеренко)は、今月20日に、キューバから帰国する飛行機の中で体調を崩し、飛行機は緊急着陸して医師が治療を試みましたが、死亡しています。

とロシア科学・高等教育省が発表し、21日にはロシアの各メディアが報じています。次官ですから、報じられるのは当然ではあれ、あっさりとした扱いです。科学・高等教育省の発表がそうなっているのでしょうが、病名さえ書かれていません(心臓疾患ということになっているらしいのですが、なぜ病名が報じられなかったのか疑問です)。

対して西側メディアは23日になって疑惑とともに大きく報じています。

クレチェンコは1977年生まれの46歳です。死ぬにはちょいと早すぎましょう。だからと言って、すぐさま暗殺されたと決めつけることはできないですが、ロシアですから、その疑いを抱くのは当然。

仁藤夢乃が賛同しているPENLIGHTという団体は新たな利権を求めているのだろうと疑われるのは当然であるのと同じです。しかし、あくまで疑いであって、確定させるためにはそれ相応の根拠が必要です。

※2023年5月21日付「interfax」 ロシアの通信社の記事

 

 

next_vivanon

(残り 1869文字/全文: 2901文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ