松沢呉一のビバノン・ライフ

ロシア・ベルゴロドに帰還したロシア自由軍とロシア義勇軍—またもモスクワ国防省で火災があったような、なかったような-(松沢呉一)

 

 

モスクワの国防省ビルでまたも火災

 

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今朝、ショイグがうちの中に入ってきて、寝ている私の横に立ち、「徴兵だ」と命じる夢を見ました。体力検査をすることになったのですが、試験科目はやり投げです。全力で投げたのに5メートルくらいしか飛ばず、「これでは兵隊は無理だ」とガックリしました。戦争に行きたいんか。

すぐに朝の検索をしたら、4時間ほど前に、タス通信は、救急隊からの報告として、「モスクワ中心部にあるロシア国防省のバルコニーで火災が発生」と報じましたが、3時間後にこれを否定し、「火災は起きていない」としています。

しかし、煙で建物が覆われている動画が出てしまってます。

 

 

火が見えているわけではないため、火災なのかどうかはっきりしないのですが、女の声で語られているロシア語は「焦げ臭い」と言っています。バルコニーで大量のタバコを吸っているだけですかね。

一方では、ドローン攻撃との説も出ていますけど、先日、ペンタゴンが爆発炎上しているAI生成図像が出回ったように、今の時代は何事も簡単には信じない方が賢明です。

 

 

これは見抜けない。「SNS発の情報は疑う」「複数のソースに当たる」といった基本を忠実に守るしかなさそうです。

しかし、今回の場合、「ロシア防衛省が火災で燃えている映像」と指定したら、コンピュータとしては火を入れると思うんですよね。わざわざ「火が見えない火災映像」という指定はしないでしょう。

続報を待っていたのですが、出ないので、おそらく火災はあって、職員が消したか、自然に消えて、当局はなかったことにしたのではなかろうか。

ボヤであったとしても、国防省でなんらかの火災があったとしたら一大事。少し前にもありましたから、意図されたものではないかと疑えますが、この件はさして話題になってません。

先日のベルゴロドへの侵入以降は、煙が出たくらいでは驚かなくなってます。

 

 

ロシア義勇軍はネオナチか?

 

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ベルゴロドに侵入したことに対して、ロシア自由軍ロシア義勇軍(Русский добровольческий корпус)のふたつの組織が声明を発表しています。

小泉悠はロシア義勇軍について「思想的にはネオナチのような組織」といった説明をしていて、さすがにしっかり把握してましたが、よくテレビに出ている他の解説者はあまり詳しくないよう。「ビバノン」のバックナンバーの方が詳しい。

ロシア自由軍についてはたびたび触れてますし、ロシア義勇軍は3月にブリャンスクに侵入したことで話題になった組織です。「ロシア領内でドローン攻撃があったり、自動車が襲撃されたり—ロシア義勇軍とは?」に、あの時点でわかることをざっと書いてますが、あれ以降、とくに私の理解が深まってはいませんでした。

ロシア義勇軍は昨年8月にデニス・ニキティン(Денис Никитин)が創設。以降現在まで彼が代表。

以下のウクライナ・メディアで、デニス・ニキティンが今回の作戦について語っています。

 

 

 

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