松沢呉一のビバノン・ライフ

ウクライナのユダヤ人—ゼレンスキーがイスラエルを支持する背景-(松沢呉一)

 

イスラエルとハマスについては触れられない

 

vivanon_sentenceパレスチナについては、気にはしていても、複雑すぎて触れられないです。今回に限ったことではなく、イスラエルを批判して済んでいたのは学生時代くらい。

そういえば、30年ほど前に、パレスチナに取材に行く話がありましたが、ポシャりました。現地に行って理解が進むこともありましょうが、同時にいよいよ簡単には触れられなくなりそうでもあります。

前に、プライドパレードにイスラエル大使館が協賛することに反対する人たちを批判しましたが、簡単に考えすぎです。イスラエル大使館が協賛しているのはプライドパレードであり、政治的メッセージを出すわけではありません。LGBTに関してイスラエルは寛大な国家であることに疑問はなく、完全な国家などありはしない以上、その点だけを評価すればいい。

といったように、個別のテーマ、個別の事象については「いい・悪い」を下せる局面はありましょうが、「イスラエルが悪い」「イスラムが悪い」という単純化が、世界各国で対立、襲撃を引き起こしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領がイスラエル支持を打ち出して反発を招きました。彼はユダヤ系であるとともに、イスラエルからの支援を得たいとの思惑があるのでしょうが、黙っていた方がよかったのに、とも思いました。

これについては、以下が大いに参考になります。

 

 

いつものように、ボグダンさんのチームが戦争の被害を受けた子どもたちに支援物資を届ける趣旨ですが、キャラ弁はあんまりおいしそうではなくて、それより前半に注目です。

 

 

ウクライナのユダヤ人居住地・ウーマニ

 

vivanon_sentence第二次世界大戦終結における日本とウクライナのつながりもさることながら、ウクライナにおけるユダヤ人の存在をよく見せてくれています。

ウーマニという都市を今までまったく認識していなかったのですが、人口87,00人の小都市です。ロシア軍によるミサイル攻撃のため、死者も出ていますし、動画内でも前日ドローン攻撃で警報が出たことが語られています。

それでも、ウクライナの中央部にあるため、戦争の影響が比較的少なく、その文脈で取り上げられる機会がないので、私が知らなかったのも無理はなく、ボグダン・チームも訪れるのは初めてで、どういう場所かあまりわかっていなかったようです。

検索すると、ウーマニはメジビジと並んでウクライナを代表するユダヤ人居住地(イディシュ語でシュテットル)として知られ、19世紀末から、この地にユダヤ人が多く集まり、1900年ころには人口の7割がユダヤ人になります。

しかし、第二次世界大戦でナチスドイツが侵攻して、この地にロシア人捕虜を収容するウマンスカ・ヤマ強制収容所が作られます。ユダヤ人は収容所に入れられることなく1万3千人が射殺されています。

✳︎Wikipediaよりウーマニを示す地図

 

 

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