松沢呉一のビバノン・ライフ

中国人留学生をどう考えるべきか—ロシアと中国の共通点-(松沢呉一)

 

ナワルニーのスタッフがリトアニアで襲撃された

 

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ナワルニーの側近オニード・ボルコフまで。

 

 

昨日、第一報を見た段階では、FSBが殺す気だったら、いつものようにもっとスマートに毒殺か、銃殺だろうと思いました。

リトアニアのロシア系住民は4.7パーセントで、約3割のエストニア、約4割のラトビアに比べると少ないですが、プーチン支持のロシア系住民もいますから、ロシア系住民がロシアの指令で脅しをやったか、独自の判断でやったか。あるいは、彼が誰かを知らない、ただの強盗だったか。

そう思っていたのですが、その後、この報道にあるように、リトアニア政府の諜報機関は背後にロシアがいるとして非難する声明を出しています。それ相応の根拠があるのでしょう。

今回の事件がどうあれ、国外でも安心できないのは、中国と一緒。イスラエルもナチスの戦犯を他国からさらって裁判をしてましたし、北朝鮮金正男マレーシアで殺害しましたね。イスラエルの場合は、後付けにしても、辻褄合わせをしてましたが、いかに戦犯であれ、他国の主権を侵すのは感心しません。

 

 

同じ香港出身者でさえ慎重に接しなければならない苦渋

 

vivanon_sentenceただ主権を侵害しているだけでなく、政府の言いなりの手下が各国にいる点でもロシアと中国は同じです。周庭さんも、中国人コミュニティを警戒しなければならない旨を語っています。

 

 

今は就学ビザがありますが、彼女の場合は自分の身を守らなければならないので、普通の勤め人は難しいかもしれず、亡命申請をすることになるのではなかろうか。

カナダには香港人のコミュニティがありますが、彼女がその役を押し付けられそうになったように、その中にもスパイを入れている可能性が高いですから、警戒は怠れません。民主化闘争に敗れて香港から脱出した学生たちを受け入れる国が、スパイのチェックに手間取ったように、スキあらばスパイを仕立てる国です。

香港の学生でも、中国政府の奨学金を得ている学生は、政府が求めた時には情報を提供しなければならない旨の誓約を交わしているはずで、最初からスパイ要員であり、ヨーロッパでは、中国の奨学金を受けた留学生の受けつけない大学も増えてます。

日本でも同じですので、重要な機密を扱う研究者や政府関係者は奨学金を受けている学生、および奨学金を受けて大学を出た人物には近づかない方がいいです。富裕層の学生は奨学金は不要ですが、不正をやることを警戒しなければならないので、どちらにしても気が抜けない。

私は何の機密もないのでまるで気にせず近づきますが、これでは日本人としてはうかうか中国人と親しくすることもできません。松下新平参院議員のような人を除けば。

しかし、中国共産党にとってはこれでいい。日本に馴染むことなく、中国人のコミュニティを形成し、他国の中に共産党の支部を作り出します。そこでは裏切り者が出ないように互いに監視し、日本の都合より中国の都合を優先し、時には日本の法より中国の法を優先する。

なんというゲスい国。

✳︎2023年7月29日付「Yahoo!ニュース(共同通信)」 昨年7月の記事ですが、ドイツの教育・研究相が、中国の国費留学生がドイツの研究機関や大学でスパイ行為を行う危険性があることに懸念を表明し、また、フリードリヒ・アレクサンダー大学は、中国政府の奨学金を受ける留学生の受け入れを停止したとの内容。

 

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