松沢呉一のビバノン・ライフ

レインボーをパクった「オンナのソノ」がやるべきこと—という前置きから女装と整形の教訓-(松沢呉一)

 

「オンナのソノ」のパクリ騒動

 

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ゲーム業界では、任天堂がパルワールドを訴えるようで、巨額の賠償請求になりそうです。以前から、パルワールドのパクリは話題になってましたが、今回は特許権の侵害です。

ゲームの特許はよくわからんので、次の話。

小林ダルマってヤツがやっているYouTubeのチャンネル「オンナのソノ」が、レインボーなどの芸人のネタを大量にパクっていたことが発覚したことが大いに話題になってます。

 

 

オンナのソノ」はネタをパクって漫画化して再生回数を稼いだ上にKADOKAWAから単行本化した図々しさのみならず、自分はパクっておいて自分の作品(なんてあるのかどうかわからんけど)の権利は過剰に主張する並外れたダブスタぶりから、強く批判されています。

パクられた側が気にしてなければ第三者は文句をつけにくいのですが、レインボーのジャンボたかおはXで「ひとでなし」とまで言ってます。大いにご立腹。

ひとつかふたつ内容をパクっただけだったら、「たまたま似ていただけ」と言い逃れることができたかもしれないですが、レインボーのタイトル「彼氏振ったけど、もう次の女できてそうで悔しくて別れたくなくなってきた女」をほとんどコピーして、「オンナのソノ」では「彼氏振ったけど、既に次の女できてそうで別れたくなくなってきた女」というタイトルをつけてますから、言い逃れできず。

「オンナのソノ」はパクった回を次々削除しているため、私は元ネタとパクリ回を比較できてませんが、タイトルを見れば十分です。

 

 

先々のことを考える対処

 

vivanon_sentenceこの騒動の中、昨日、小林ダルマのXアカウントで、以下が投稿されました。

 

「レインボー」の名も、「オンナのソノ」の名もなく、「契約」はどことの契約か、調査・確認を行なっている「関係各所」とはどことどこのことかもわかりません。

とくに意地の悪い見方をしなくても、この文書は炎上を抑えることだけを目的としたものだと判断できます。

レインボーのジャンボたかおはこれに対して反応しておらず、すでに所属の吉本興業の法務に任せているのかもしれない。「関係各所」のひとつは吉本か。もうひとつはKADOKAWAか。

だとすると、小林ダルマさんはジタバタせず、土下座して謝罪をし、素直にパクったリストを提出し、吉本所属の芸人からパクった回の収益の全額、それらを単行本に収録している場合、印税をページ割りをした金額とを著作権使用料として渡し、KADOKAWAのサイトと「オンナのソノ」のアカウントで事情説明と謝罪することは免れないので、そこは覚悟した上で、示談交渉するしかないでしょう。

私だったら、払えるだけ金を払って、各所に謝罪文を出し、パクったものについては一旦は引っ込めて、しかるのちに、原作としてクレジットを入れて出し直すことを承諾してもらう。単行本も一旦絶版とし、版元が了承すれば原作のクレジットを入れて新版を出すことを提案します。

これは以降も自分が利益を得るためではなく、穏便に解決したことを表示するためなので、原作付きの印税は全額原作者に渡してもいい。そうすることで、創作を続ける道が辛うじて開かれます。

 

 

レインボー池田の女装は一流

 

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なんにせよ、訴訟になると金も手間も時間がかかりますし、刑事で告訴されると再起が難しくなりますから、ごまかしはやめて、すべて認めて、すべて利益を吐き出した方がいい。と私だったら考えますが、小林ダルマさんはこういう人ですから難しいかな。

 

 

 

腹立ちをこうやってすぐさま笑いに昇華させるのはさすが芸人。

いや、これは今回のこととは関係ないコントです。彼は小林じゃなくて、山田ですから。名誉毀損で訴えかねない小林ダルマへを牽制しておきました。

 

 

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