松沢呉一のビバノン・ライフ

公衆トイレで石鹸を使うのは不潔と感じる人々の存在を想像もできない鈍感さ—新人「炎上商人」登場![前編]-(松沢呉一)

 

内容が正しければ炎上商人の言うことも参考にするが…

 

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また炎上商法の逸材が登場。

私が最初に知ったのは「頼むぜエディタ」でした。

 

 

この人物については「頼むぜエディタ」も続報を出してますが、「プク太の世界時事ニュース」もまとめています。

 

 

この動画でだいたい想像がつくと思いますが、FKA MORENAと名乗るこの人物は、一方で日本通として日本旅行のプラニングで金を得て、一方でディスって炎上を狙って金稼ぎをやってます。今回も炎上して金を得られると大喜びして、炎上商人らしさを隠してません。

それに貢献するのは腹立たしいのですが、最初にこれを観て感じたのは「彼女が言うことが事実なら、米国では石鹸で手を洗った方がいいかもな」ってことです。これが事実か否かを検討したくなりました。

私はいつでも銭湯に入れるように入浴セットを持ち歩いていて、公衆トイレでウンコが手についたら自分の石鹸を使いますし、何かで手が汚れたらトイレに駆け込んで石鹸で手を洗うこともありますが、それ以外で公衆トイレではまず石鹸は使わない。

また、シッコだけだと手を洗わないこともよくあります。その代わり、コロナ禍以降、アルコール依存症だったので、アルコールのボトルを持ち歩いていました。夏場に涼しくなるために、脇や首筋にかけることの方が多かったですが、家に帰るとすぐさまアルコールを手にかけてましたし、何か食う前と後にもアルコールで手を拭いてました。でも、アルコール依存症を脱してからは、家にいる時に手を洗うのは手が汚れた時だけです。

このままでは米国に行けないです。つうか、他の国でも米国並みかもしれないので、もうどこにも行けない。どこに行っても石鹸で手を洗えばいいだけですが。

でも、本当かな。あそこまで不潔だと言う以上、米国では例えば80パーセントが石鹸で手を洗い、対して日本では7年間で1度も石鹸をつけて手を洗うのを見たことがない、つまり0パーセントに近いのであれば、日本は不潔な国だとしていいかもしれないですが、そんなことがありますかね。

彼女は米国にいる時から札付きで、日本ではヤリマン生活を満喫し、そちらも公開して金を稼いでいるようですが、以下、トイレでの石鹸利用に絞って見ていきます。

✴︎「Travel Planning by FKAMORENA」の自己紹介ページ

 

 

米国と比較すると、確かに日本の石鹸使用率は低いよう

 

vivanon_sentence調査があるかもしれないと思って検索したら、すぐに見つかりました。

2013年のミシガン州立大学の調査によると、石鹸をつけて洗うのが67パーセント。この調査は、複数の公衆トイレで利用者を観察した結果です。条件を合わせているでしょうから、調査対象のトイレはいずれも石鹸を設置していると推測できます。

同じ方法で調べたものではないので、並列に並べることはできないのですが、日本の調査では「石鹸を使って手を丁寧に洗う」と答えたのは41.9パーセント。こちらは、質問に答えてもらう方式です。この方式の調査では、匿名であっても「見栄を張る」「体裁を整える」という心理が働くため、それを考慮して見ていく必要があります。

正直、日本の環境でこの数字は思ったよりも高い。普段、飲食店やスーパー、商業ビルのトイレだけでなく、公園や遊歩道などの公衆トイレをよく使う私からすると、民間施設のトイレに比すと、公衆トイレに石鹸が設置されていることはほとんどありません(ここでの「公衆トイレ」は誰でも入れる公設のトイレのみを指し、民間で設置のものはもちろん、役所や図書館、鉄道駅のような公的施設内のトイレを除きます)。

 

 

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