来日公演が危うくなってきたNMIXX(エンミックス)を擁護する—文化と政治を切り分けろ-(松沢呉一)
NMIXXは抜け出せない泥沼に
これ以降、韓国と関係ない方向に進むので、「韓国のポップスに浸ってみた」とは別枠でやっておきます。
来年2025年1月11日(土)・1月12日(日)に予定されているNMIXXの来日公演が猛反発されて、公演中止を求める署名運動まで起きていて、3日で4万筆を超えています。このペースだと10万に届くかも。この反発は「NMIXX(エンミックス)の「独島は我らの領土」とK-POPアイドル残酷物語—韓国のポップスに浸ってみた(5)」を参照のこと。
しかし、私はIVEに続いて、NMIXXも擁護しておきます。K-POPSアイドルの大半はなーんも考えてないパープリン集団ですから、そこまで追い込むのはさすがにかわいそうです。あれは完全に事務所が悪い。事務所もパープリンなので、あるいは確信的反日愛国者なので、その所属タレントが不利益を被るのはしゃあないか。擁護終了。
「NMIXXの日本でのファンコンサート開催に断固反対します。」の署名呼びかけ文を読むと、「独島は我らの領土」を歌ったこととともに、謝罪がないことを問題にしてます。確かに、あの時に、すぐさま謝罪なり釈明なりをすればこうはなっていないでしょう。
さらに議論を招くことになるので、領土問題に踏み込むことを避け、「韓国では学校で教えられる歌なので、ゲームの中で出しただけで、その曲を歌うことでメッセージを出すつもりはありませんでした。お騒がせして申し訳ありません」と言えばいいだけ。本人たちとしては実際そうだったんだろうし。
しかし、これだけでも、今度は国内からの反発は必至で、「『独島は我らの領土』に何の思いも込めずに歌うとはけしからん」「なんにしても日本の右翼に謝罪するとはなにごとか」と騒ぎになって、今度は韓国国内でのコンサート中止を求め出します。
こうなったら、国からの援助が絶たれかねないでしょう。
KFA(大韓サッカー協会)に対する政府の介入がFIFAから警告を受けているように、韓国は政治と文化が混然としていて、何を警告されているのかさえわからないみたい。
文化に税金を投入することに政治側も文化側も国民も抵抗がなく、スポーツにもいちいち愛国政治をからめてきてウザいですが、税金を投下するにせよ、政治から文化を独立させないと、金で縛られて、うっかりミスでも謝罪することができなくなります。
謝罪も釈明もできないなら……
謝罪も釈明もできないなら、国家の宣伝屋と割り切って、NMIXXは今後愛国アイドルとして、一切、日本に色目を使わず、日章旗や旭日旗を焼きながら、「独島は我らの領土」を朝から晩まで思う存分歌い、合間に「日本海は東海」「桜は韓国起源」「日本製品を買うな」といった新曲を歌っていけばいい。日本製のPA機器や映像機器を使ってさ。政府からの評価も高まりましょう。
その覚悟がないなら最初から触れない。
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