松沢呉一のビバノン・ライフ

ライバーが殺されない秘訣—3月19日の「月刊 生き違い新聞」で話したこと/話さなかったこと-(松沢呉一)

最上あいこと佐藤愛里の婚約者、油井大顕の思惑を推測する—3月19日の「月刊 生き違い新聞」で話したこと」の続きです。

 

 

世代を超える話題とは

 

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月刊 生き違い新聞」第6号では、24歳の若い客がネパール風居酒屋「祭り太鼓」での打ち上げにまで来てくれたのが嬉しい。

彼は今まで2回「パンディット2」の前まで来ながら、ドアを開ける勇気がなかったそうです。こういうことは昔のSMクラブではよくあったと聞きます。少数ながら今もいるでしょうが、足を踏み入れると二度と元の世界に戻れなくなると恐れるのです。

闇バイトをやるのに抵抗がないのがあんなにいるのに、「月刊 生き違い新聞」を恐れるのが何百人もいるのは(そんなにいない)バランスがおかしいべ。

20代前半の青年と話したのは8年ぶりくらいかもしれないですが、このくらいになると、いしだあゆみ萩原健一も知らないんですぜ。でも、小林幸子は知っていると言ってました。

1999年生まれですから、当然と言えば当然で、テレビの懐メロ番組で昔の映像が流れたり、ドラマが再放送されたりしてましょうが、もう10年くらいテレビを観てないんだそうです。でも、小林幸子はYouTuberであり、他のチャンネルに出てきたりもしますから、今の人です。

すべてはインターネット。そういう世代。

「でも、YouTubeだと登録しているチャンネルがそれぞれ違うので、“昨日のアレ観た?”“観た観た”って会話が成立しなくないか?」

「成立しないです」

私も長らくテレビを観てませんから、そんな会話はしないですけど、まして彼と私の間に共通の話題なんてあるはずがないじゃないですか。でも、VTuberの話は通じました。よかったあ。VTuberは世代を超える。

✴︎株式会社イザワオフィスのサイトより「いしだあゆみ 永眠のお知らせ

 

 

ライバーが辞める事情

 

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「月刊 生き違い新聞」第6号では、ライバーの一形態としてのVTuberについても触れました。軽く触れただけだったので、ここではもう少し詳しく書いておきます。

ちょっと前に、「昨年末から、ホロライブから、続々所属タレントが辞めている」という話を書きました。その際には、理由にまでは踏み込まなかったですが、VTuberのkson(ケイソン)の解説がもっとも納得できました。

 

 

たぶん卒業した今でもそのことには触れられないのだと思いますが、ksonは初期ホロライブのスターであり、ホロライブVTuberの基礎を作った桐生ココの生まれ変わりですから、説得力があります。ksonになってから顔も出してますが、顔出ししている時よりアバターの方が声が弾んで聞こえます。受け取り側の問題かもしれないですが、話し手の意識にも影響しそうです。

彼女の見立てでは、離脱が続いているのは、ホロライブが大きくなりすぎたってことです。

 

 

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