▽[今週の殺し屋日記] 柳下毅一郎の6/7~30 『凶悪』・『タリウム少女の毒殺日記』・『サンゴレンジャー』、『GIジョーバック2リベンジ』、『ジム・オルーク』・『アフターアース』・『緑色の部屋』・『風立ちぬ』・『クソすばらしいこの世界』
京橋テアトル試写室にて『凶悪』試写。いわゆる〈上申書殺人事件〉の映画化で、ピエール瀧が暴力団組長、リリー・フランキーがその指南役の「先生」、山田孝之が新潮社の記者を演じる。ともかく瀧&リリーが達者すぎ、演技派のはずの山田君が青臭く見えてしまうほど。俳優の映画だなあ。
その後アップリンクで『タリウム少女の毒殺日記』。美少女に演じさせればなんでもいいってもんじゃねーぞ。
渋谷HUMAXシネマにて『サンゴレンジャー』。
石垣島の自然保護のために戦う戦隊、それがサンゴレンジャーだ!
客が五人くらいいてびっくりした。てっきりオレ一人で見ることになるかと……
新宿バルト9にて『GIジョー バック2リベンジ』。笑った。
ともかく盛り込みすぎなんで、ひとつひとつのアクションが短いのがいい。脳のひだの一本一本までが筋肉でできあがっている映画。笑ったのは最後核保有国サミットに堂々と北朝鮮とイスラエルが出席していたこと。イスラエルが核を保有しているというのは公然の秘密なわけだが、映画ではっきりそう描いたのははじめてなのではなかろうか。イスラエルは抗議しなかったのだろうか。『GIジョー』だもんで気づかなかったかw
朝からサッカー見て絶叫していたら一日の予定が狂いまくりだが仕方あるまい。
まややはなんとかならんのだろうか。
kickstarterでアラン・ムーア先生が自作(脚本)の短編映画の完成資金を公募している。もちろんお布施しますた。
六本木スーパーデラックスでジムO(Jim O’rourke)シックスデイズ第五日。
六日全部は行けないしな……と思ってこの日にしたのだが、しくじった……あまりに素晴らしく心底打ちのめされる。
ひとつの理想の音楽なるものを聞いた気がする。打ち上げに混ぜてもらって三時くらいまで飲む。
昨日がとってもよかったのでジムOシックスデイズ最終日も出かける。今日はほぼスタンディング。二時間たちっぱは老体には辛かったが、そんなのを忘れるくらい素晴らしかった。いいものを聞いたなあ。
素晴らしいライブのあと劇場で『アフターアース』見る(二度目)。なんだかんだ言って楽しんどるわけですよ。
飯田橋のアンスティチュ・フランセで開催中のナタリー・バイ映画祭。トリュフォーの『緑色の部屋』なので出かける。もっとも偏愛するトリュフォー映画。いろんな意味で狂っているんだが、でも忘れがたい映画である。
「死人しか愛していない」主人公には共感せずにいられない。
上映後、登壇したナタリー・バイはとっても若くて素敵でございました。
6/25(火)
試写に出かけようと思ったが、いきなり豪雨になって「あれれ~」とか思っているうちに出かけるタイミングを逸してしまった。
夜、某内覧試写。タキヤン、ヨシキくんと一緒だった。配給側の人から「今日は『風立ちぬ』の試写もあったのにこっちに来ていただいてありがとうございます」と言われたが、「え、知らない」「うちそういうの来ないから」「どんな話なの?」 まあ映画業界と無関係なところで生きている「映画評論家」もいるということで。
『風立ちぬ』のタイトルで病気療養中の美少女が出てきたらギャグだろ?と思うんだが、世の中はそうではないらしくたいへん評判がよろしいようで慶賀の至り。
6/26(水)
新宿バルト9にて『俺はまだ本気だしてないだけ』。うーんこの残念な感じは……わかったから本気出せよ、福田!
新宿の中華料理屋で宴会。故林由美香の弟さんが野方ホープの社長に就任するということで、お祝いをかねて平野勝之が号令をかけて人を集めた大宴会が開かれたのである。
というわけで井口昇とかカンパニー松尾とかペヤンヌマキさんとか色々集まって放談。久しぶりの人にもいろいろ会えて楽しかった。
しこたま酔う。
ポレポレ東中野で『クソすばらしいこの世界』。楽日。
篠崎監督と高橋洋監督、ほかキング山口他に遭遇。たまに映画館に行くといろんな人に会う。
映画についてはいろいろ文句もあるんだけど、若い監督が作った楽しいスプラッターとしてまずは前途を祝しておきたい。
6/29(土)
笹塚区民会館でSFファン交流会。ラファティについて話すということでいろいろグダグダ話した。
このところ、ラファティのカソリック性についてばかり話しているのだが、逆にその宣伝が効きすぎて「ラファティ難しい」という印象になってしまっているのではという気もしないではない。なので「ラファティの宗教性ってよくわからないよね(キリスト教だけで全部理解しようとするのはあやまり)」と言ってたんだが、逆に「宗教むずかしいよね」という話になってしまった。おかしい。というか自分でも何言ってるのかよくわからない。
6/30(日)
ナビスコ杯準々決勝。横浜Fマリノスvs鹿島アントラーズ@横浜国際。先週の第一戦ホームで0-2で負けているわけで、前半早いうちに点取るとかじゃないと……と思っていたら全然攻め手がないまま時間だけが過ぎて、エヒメッシに凄いのを決められて万事休す……横浜って酷いよね、八人で守って攻撃三人だけなんだもん。で、その三人でほぼ点取ってしまうという……
負けたので横浜サポに恭順の意を示すため、野毛で飲むことに。