▽[今週の殺し屋日記] 柳下毅一郎の4/18 -4/30 ホドロフスキー来日、ガルシア=マルケス死去、『カラアゲ★USA』、『神様はつらい』、『白昼の襲撃』、『注目すべき人々との出会い』
4/18(金)
ガブリエル・ガルシア=マルケス死去。ぼくが『百年の孤独』を読んだときには、まだ系図がついてなかったので、自分で系図を作りながら読んだものである。何もかも懐かしい……
プラスチック・モデル11周年だというので出かけてちょろっと飲む。
4/21(月)
アップリンクの招聘でアレハンドロ・ホドロフスキーさんが来日。さっそくこの日にインタビューする。ちなみに映画秘宝の取材だったんだけど、今月号の表紙がスパイダーマンなのを見たホド翁さん、「最近のハリウッド映画というのは……」と脳なしアクション映画への批判をはじめてしまって、「(……変なボタンを押してしまったなあ……)」と内心ちょっと困っていたのだが、そのうちに「そもそも『スパイダーマン』はスティーヴ・ディッコの……」とか言いはじめて「とんだオタクじじいじゃねーか!」とずっこけたというのは内緒です。
その後イメージフォーラムに寄ってイメフォフェスのガイド番組に一言コメントしてから、アップリンクのカフェ、タベラで開かれたホドさんウェルカムパーティへ。これ渋谷でパーティだから……とイメフォにしたんですが、イメフォとアップリンクって、同じ渋谷とは言えないくらい離れてて、あいだに谷まであるやんか! そんなわけでえっちらおっちら歩いてようやく着きましたよ。ホドさんご高齢にもかかわらずたいへん元気でした。
4/22(火)
久しぶりに会う友人と横浜中華街で会食。
夜、バルト9で『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』。世評高い作品で、実際よくできてるし面白いと思うんだけどぼくはいまいち乗れなかったというか……やっぱアメコミ映画はもっとガキ臭いものであってほしい。うーん。
4/25(金)
高橋愛の『カラアゲ★USA』という映画を見つけてなんだこれー!と言ってたら、twitterで、その監督の映画、今ユーロスペースでやってるよ、と教えられてしまった。そんなもん教えていらん!と思ったが、知ってしまったのでしょうがなく『Route 42』見る。死に線……
4/26(土)
京都へ。日帰りで勉強会に参加。
4/27(日)
イメージフォーラムフェスティバル開幕。新宿パークタワーでアレクセイ・ゲルマンの『神様はつらい』。原作はA&B・ストルガツキー。映画はひたすらぐっちゃぐっちゃの泥と血まみれの三時間でもう大変なもので、ストルガツキーてこんなんやったっけ?と頭をひねったので原作を読み直してみたが、ほぼそのとおりだった。ストルガツキー、すごく現代的で面白かったなあ。昔はこの真価、わかってなかった。
4/28(月)
映画祭ゴールデン週間。ラスト・バウスでどうしても見たかった『注目すべき人々との出会い 』。オレにとってバウスシアターの思い出と言えばこれ。それにしてもこれ、全部偶然と思いつきと曖昧な出会いだけで、ちっとも具体的な話ないんだよね。てかぶっちゃけ全部吹いてるでしょグルちゃん! いや面白いからいいんだけど。上映はピカピカの35ミリフィルムで、ケイブルホーグ資産侮りがたしの思いを新たにする。
その後新宿ピカデリーにて『アメージング・スパイダーマン2』。うん、面白かった。これがオレの思うアメコミ、オレが思うスパイダーマンであった。いやもちろんライミ版をけなすわけじゃないのよ。でもこっちのほうがスパイダーマンらしいって感じれてしまうんだよなあ。
4/29(火)
友達の誕生日なのでお祝いに。ミニシアターで英国のTVコメディとかを見る。たいへん楽しうございました。
4/30(水)
シネマヴェーラ渋谷で岸田森特集。西村潔の『白昼の襲撃』が傑作すぎて参った。しかもゴダール。完璧にゴダール。まあ、だからあまり評価されないのかねえ。キャラクターも途中で投げっぱなしになっちゃったりするし……って書いてると文句ばっか言ってるみたい……岸田森に狙撃された男が飛び上がって踊って死ぬところが素晴らしすぎる。