『わたしのハワイの歩き方』 -ひたすら日本人同士でつるんでパーティで酒と男漁り・・・日本版『セックス・アンド・ザ・シティ』?のタカリ人生模様(柳下毅一郎) -3,375文字-
監督 前田弘二
脚本 高田亮
撮影 戸田義久
音楽 きだしゅんすけ
出演 榮倉奈々、高梨臨、瀬戸康史、加瀬亮、宇野祥平、池松壮亮、鶴見辰吾
えー、これがどういう映画か一言で言えば、榮倉奈々が浴びるほど酒を飲んでみっともなく酔っ払い、出会う男と片っ端から寝て、男を全員殴り倒し、そのままマウントして結婚に持ちこむ。それが榮倉流のハワイの歩き方だ! いったいどういうことなんですかねこれ……
榮倉奈々が演じる女性編集者小山田みのりは旅行ガイドやらダイエット本やら、二番煎じ、三番煎じの企画専門の二流出版社で働く女性編集者。つまらない本ばかりを作らされるストレスから連日飲みにいってはベロベロになるまで飲む日々。ある晩酔った勢いで後輩の編集者を押し倒してベッドインするが、実は相手は妻帯者でしかも奥さんは妊娠中だった(いや机隣り合わせて仕事してるんだから、押し倒す前にそれくらい調べとけよ!)。あー最悪……というところにCAの友達から相談を持ちかけられる。
「ハワイで結婚式やるんだけど、二次会の会場もやっぱ特別なところにしたいわけ~ほら彼の友達ってセレブばっかだからあ~あんたの出版社、ハワイのガイドブックいくつも出してたし、詳しいでしょ? ちょっと手伝ってよ~」
これ実はあとで判明するのだが新郎はハワイで中古のコンドミニアムやクルーザーを売りさばいてるブローカー。じゃあそいつにやらせりゃいいじゃないか! しかも実はみのりはハワイに行ったことがなく、ガイドブックはすべて他社のガイドのパクリだけで作っていたのだった。そういうわけで公私ともにいろいろ煮詰まっているみのり、無理矢理ガイドブックの企画を通し、会社と友人双方から経費を二重取りしてハワイに羽根を伸ばしに旅立つのだった!
いや見るからに酷い。てか業務上横領じゃないのかという話なのだが、榮倉奈々がまったく悪びれずに嬉々として自分から「経費二重取りで遊びに来た!」とか言ってるんだからどうしようもない。そんな榮倉、友人に誘われて行ったパーティでおっさんにまたがってお馬さんごっこをしている茜(高梨臨)と出会う。あかねはグリーンカード欲しさに金持ちの男との結婚を狙ってセレブのパーティに顔を出す日々。パーティにはタッパーを持参して料理をごっそり持ち帰る。
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