『ザ・ヘラクレス 3D』 この手の悪役って絶対にマッドマックス調。スペクタクルな冒険活劇……のはずが [♪akiraのスットコ映画の夕べ] -2,727文字-
『ザ・ヘラクレス 3D』(2014/米)
監督 : レニー・ハーリン
出演 : ケラン・ラッツ、スコット・アドキンス
10月公開のロック様主演映画に『ヘラクレス』のタイトルを先取りされたのか、100円ショップの分類表示みたいになってしまったレニー・ハーリン監督最新作。主演は『トワイライト』シリーズにヴァンパイア役で全作出てたらしいケラン・ラッツ。<みな一様に顔が白いので主役以外区別が付かない。ギリシア神話でおなじみ、怪力ヘラクレスの活躍を『300<スリーハンドレッド> 』風に描いたスペクタクルな冒険活劇……のはずなんですけど、オリジナルな設定にアレンジしたせいか、スットコ成分濃厚な作品になっていました。
舞台は古代ギリシア。ティリンスの王アンピトリュオン(スコット・アドキンス)は、力にまかせて次々と他国を侵略していました。王妃アルクメネ(ロクサンヌ・マッキー)はその非道さに夫を憎み、オリンポスの神に救いを求めに行くと、女神ヘラが降臨します。
「この世の平和を望むならば、お前は全能の神ゼウスの子を産み、私の名を冠したヘラクレスと名づけよ」
……えーと、たしかヘラってゼウスの奥さんですよね? 神話では、アンピトリュオンの留守中にその姿に扮したゼウスが、アルクメネの寝所に入り込んでヘラクレス誕生→当然ヘラ激怒、なんですが、ハーリン版ヘラクレスは妻公認浮気! そして相手の名を黙ったまま王妃は妊娠します。家庭内別居中だったので、王は自分の子では無いと知っていましたが、王妃に罰を与えるつもりで、産まれた子を次男アルケイデスとして育てることに。
そして20年後、筋骨たくましい青年となったアルケイデス(ケラン・ラッツ)とクレタ島の姫ヘベ(ガイア・ワイス)は恋に落ちていました。馬を駆り、ヘベを森の奥の湖に連れてきたアルケイデスは、断崖絶壁を素手で登り、おもむろに手を放して背後から湖にダイヴ! ファイトいっぱぁぁぁああつ!!!!!(と吹き替えを入れたいほど完璧な既視感)
びしょぬれでシズル感たっぷりのマッチョ上半身を見せびらかすシーンはお約束。一方、そのあまりに立派なメンズおっぱいのせいで、相手役の姫がとても貧乳に見えて大変気の毒です! そこにやってきたのが邪悪な兄イピクレス(リアム・ギャリガン)。ヘベ姫に横恋慕している兄は、兄弟で城に戻る時にわざと危険な道を通り、不死と言われる恐ろしいネメアの獅子と弟を闘わせます。ここでやっと、素手でライオンの首を絞めて殺す、というヘラクレス神話のエピソード挿入。宴開催中の城に戻ると、兄の顔を立てて手柄を譲った弟でしたが、兄は父母及び客たちの前でヘベとの婚約を宣言。ヘベはその場で拒否し、恥をかいた兄を父王は馬鹿にしたため、兄はますます弟への憎しみをつのらせます。
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