『リベンジgirl』なぜかこの映画では世界の中心はインスタグラム。うん、まちがいなく落選だよね! (柳下毅一郎)
→公式サイトより
『リベンジgirl』
監督 三木康一郎
脚本監修 吉田恵里香
脚本 おかざきさとこ
撮影 吉沢和晃
音楽 坂本秀一
出演 桐谷美玲、鈴木伸之、清原翔、馬場ふみか、竹内愛紗、佐津川愛美、大和田伸也、斉藤由貴、ガッツ石松、木下ほうか、山村紅葉、諏訪太朗
いきなりコロンビアのマークが出てびっくりした。WBマークの日本映画はもはや慣れてしまい、というか安心のダメ映画ブランドになりつつあるし、そもそも昔と変わりすぎて「あの」ワーナー映画のイメージはないのだが、コロンビアのカンパニー・ロゴは変わってないからギャップがどうにも。
さて、本作の主人公は宝石美輝(たからいし・みき 桐谷美玲)。「東大首席でミスキャンパスグランプリに選ばれながら性格ブスのヒロインが、失恋をきっかけに総理大臣を目指して奮闘する姿を描く」コメディということなんだが、実は根本的設定部分に疑問があってですねえ……
ミス東大だった美輝(桐谷美玲)はミスキャンコンテストで見事優勝するもののスピーチでは「当然の結果です! 負けたあなたたちも、相手が悪かったんですから仕方ありませんわ。なんせ私のこの美貌を前にしては……」とナチュラルに上から目線な演説をかまして満場の顰蹙を買うもそのことにはまったく気づかないという天然オブ天然。ランウェイから足を踏み外すが、たまたま下敷きになったイケメンが救ってくれた。「こんなにきれいな人、生まれて初めて見ました」と言うイケメン斎藤裕雅(清原翔)はハーヴァード卒の代議士の御曹司で秘書という超サラブレッド。私の美貌と知性にふさわさしい彼氏!と舞い上がる美輝。それから一年後、「大事な話があるから、思い出のミスキャンコンテスト会場で会おうよ」と言われた美輝、「きっとプロポーズだわ!」と舞い上がり、着飾って会場に出かける。ところがなんと、その会場にいるのは全員裕雅の女なのだった! 中には彼の子を妊娠しているという娘(佐津川愛美)までいる。どういうことなの!? と裕雅のところへ駆けつけたが、「なに? きみなんか本気で相手するわけないでしょ? 面白いと思ったからガールフレンド全員集めてみただけだよ。文句あるんだったら手切れ金あげるから」と歯牙にもかけられず、プライドをへし折られてトボトボ帰る。あいつを凹ましてやりたい……と思った美輝、たまたま通りがかった元政治秘書の門脇俊也(鈴木伸之)から「じゃあ総理大臣にでもなれば?」と言われて発奮。知性と美貌を兼ね備えたこのわたしになれないものなどない!と息巻いて「あすなろ政治塾」に殴りこむのだが、門前払い。だがその勢いを政治秘書の如月(斉藤由貴)に見込まれて、政治家に幻滅している元敏腕秘書門脇とのコンビで選挙を目指すことになる……というのだけど。
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