『東京ワイン会ピープル』 東京で持ち寄りワイン会なぞやっているバブリーな人間模様。ワインを飲むとたわごとを語りだすトリップ系ストーリー
→公式サイトより
監督 和田秀樹
脚本 林ミカ
原作 樹林伸
撮影 中村夏葉
音楽 田井モトヨシ
出演 松村沙友理(乃木坂46)、大野いと、小野塚勇人(劇団EXILE)、近藤雄介、小路勇介、藤岡沙也香、水上竜士、中村有里、久保田悠来、Matt、田崎真也、須藤理彩、隆大介
『銀座並木通り クラブ・アンダルシア』、『私は絶対許さない』などでおなじみモナコ映画祭受賞監督和田秀樹先生(精神科医)の新作がやってきた。題して『東京ワイン会ピープル』。東京で持ち寄りワイン会なぞやっている(鼻持ちならない)バブリーな連中の人間模様を描く映画である。原作の樹林伸は『金田一少年の事件簿』などで知られる有名漫画原作者で、ワインを飲んだ人たちがこぞって浮かれポエムを語りはじめるワイン薀蓄漫画『神の雫』でも知られている。というわけでこれもワインを飲むとたわごとを語りだすトリップ系ストーリー。配給はイオンシネマで、イオンリカーともタイアップして劇中に出てくるワインを売る(というよりは、イオンリカーが売りたいワインをお勧めするシーンを映画内に押し込んだのであろう)抜け目なさ。和田先生さすがですね! なお、物語はさまざまなワイン会にでかけた主人公が行った先でワインを飲ませてもらってはたわごと(ポエム)を言うという構成なので、全六章にわかれそれぞれが高級ワインの銘柄を章タイトルにしてバブリーに盛り上がる(もちろんイオンでは売っているはずもない)。
#01 Chateau Lagrange 2009
「ワインには人と人をつなぐ魔法のパワーがある」と父親に言われた桜木紫野(松村沙友理)は平凡なOL(ワインで結ばれたという紫野の両親は写真でしか出てこないので死んだのかと思われるのだが、まったく語られないのが謎である)。同僚の雨宮千秋(大野いと)と一緒にワイン通の課長(少路勇介)主催のワイン会に誘われる。ワインになど興味はないが、そういう場所なら金持ちやセレブとの出会いがあるだろうという狙いで参加した千秋は歯科医富岡(近藤雄介)にロックオン。紫野は課長の後輩だという若きIT長者織田一志(小野塚勇人)に気に入られ、ワインバーに誘われる。
#02 DRC Echezeaux 2009
織田のお気に入りのロマネ・コンティを飲んだ紫野は
「一面の花の中にいる女性、彼女の持っているバスケットにはいろんな果物が入ってる……」
とさっそくポエムを披露。ワインの知識がないはずなのに的確な表現をしてみせる紫野の感性に織田は驚愕。ワイン会での再会を約して別れる。家に帰った紫野、いきなり水彩絵の具を取り出して、何をするかと思ったら花畑の中の女性の絵を描きだす! なんで!?
織田から誘われたワイン会の日が来た。うきうき出かけようとすると朝電話がかかってくる。
「すまない。残念ながら行けなくなってしまった。でも、きみはぜひぼくのワイン会に行って、用意したワインを飲んでほしいんだ」
えーどういうこと……と悩みながら出社するとニュース速報。「IT長者の織田一志が金融うんちゃら法違反で逮捕されました」えー!
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