『えんとつ町のプペル』 笑われ炎上し叩かれている自分は、それゆえに正しい。「たとえ一人になっても信じつづけろ」何を? それはもちろんプペル=西野が正しいということを
→公式サイトより
監督 廣田裕介
製作総指揮・原作・脚本 西野亮廣
演出 大森祐紀
音楽 小島裕規、坂東祐大
主題歌 HYDE、ロザリーナ
出演 窪田正孝、芦田愛菜、立川志の輔、小池栄子、藤森慎吾、野間口徹、伊藤沙莉、宮根誠司、大平祥生、國村隼
この映画に語るときに困るのは、もちろんそれが西野亮廣という人そのものだからである。プペルは西野だ。それはつまり、ガワはちゃんとして見えても、中身は空っぽだということだ。
ぼくは西野亮廣という人にはまったく興味がなく、だからこの人のことは何も知らない。もちろんキングコングという漫才コンビの片割れで、絵本を無料公開して炎上したことくらいは知っている。オンラインサロンでいろいろえげつない商売をやってもいるのだろう。そういう商売の倫理面についていろいろ論じるほど詳しいわけじゃないし、そもそも論じたいとも思わない。だからわりと積極的にこの映画は見たくなかったのである。ただまあ、あくまでも映画の中身についてだけ語るなら、そういう面倒な話にかかわらなくてもいいだろう、と思って見に行ってはみたのだが、そう都合よくはいかないんだよね。そういうわけでとても面倒だが、やはり、芸術と人格は不可分なのだと再確認する結果に終わった。
キングコングは吉本東京所属の芸人であり、当然本作は吉本興業の製作である。アニメを担当しているのはSTUDIO 4℃。なのでアニメの出来的にはケチをつけるようなところは一切ない。ゴミ人間の造形、寄せ集めのゴミがふわふわ動くあたりはとりわけよくできている。キャラクターの造形も含め、おそらくは『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』あたりがモデルになっているのだろう。ちょっぴりグロかわいいキャラクターによるハートウォーミング・ストーリーだ。ただ問題があって、それなりによくできてる以上のものはここには何もないのである。
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