『HOKUSAI』 東京五輪に合わせたクールジャパン案件。詰めきれず曖昧なまま誰も望んでいないものを作ってしまうのがクールジャパンとやらいうものの本質なのかもしれない
→公式サイトより
『HOKUSAI』
監督 橋本一
企画・脚本 河原れん
撮影監督 ニホンマツアキヒコ
撮影 角田真一
音楽 安川午朗
出演 柳楽優弥、田中泯、阿部寛、永山瑛太、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生悠、河原れん、城桧吏
SDP(スターダスト・ピクチャーズ)製作のクールジャパン映画。東京オリンピックに合わせて一斉にプロモーションされるはずだったクールジャパン案件が、コロナによっていろいろめちゃくちゃになってしまった結果なのだが、そもそも去年にオリンピックが予定通り開催されていたとして、そこでこの映画を誰に見せるつもりだったのか。まさか海外から訪れたオリンピック観客がこの映画を見るとでも思ったのか? そこらへんを詰めずに曖昧なまま誰も望んでいないものを作ってしまうのがクールジャパンとやらいうものの本質なのかもしれない、と出し遅れの証文を見て思わされずにいられない。
そんな怪しいクールジャパン映画の中心になっているのが葛飾北斎の娘お栄(葛飾応為)を演じ、本作の脚本も書いている女優河原れん。実はスターダストプロモーション代表取締役の細野義朗の妻なのである。まあそれ以上とくに申し上げることはありませんが、映像化作品も複数抱える作家にして脚本家で女優、才女なんですねー。そういうわけでSDPの全力を上げた映画の結果が……
物語は四部構成。北斎の青年期と老年期をそれぞれ柳楽優弥、田中泯が演じる。この映画、やたら画家に顔芸をさせたがる。もはや国宝レベルに磨き上げられた田中泯の顔芸には呆れるしかないが、どうして柳楽優弥も天下の顔芸役者だけに、くりひろげられるのが至上の顔芸合戦。どうしてこうなった。
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