柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『夢判断、そして恐怖体験へ』 この話はすべて実話である!大川隆法企画映画第四弾と銘打たれた、ほぼコメディの小噺集

公式サイトより

夢判断、そして恐怖体験へ

監督 奥津貴之
企画 大川隆法
脚本 富川水亜
撮影 兼松勇貴
音楽 岡本武士
主題歌 大澤美也子
挿入歌 TOKMA
出演 青木涼、山岸芽生、希島凛、高橋宏昌、なりたりな、望月さやか、橘百花、芦川よしみ、生野和人、塚本このみ、矢野みなみ、松岡蓮、深沢莉子、高梨ゆず

 

この話はすべて実話である! 大川隆法企画映画第四弾と銘打たれた本作、なんでもここに出てくる「リーディング」はすべて大川隆法総裁が実際にやったもので、与太話もみんな大川総裁作なんだそうである。映画の最後には実際のリーディングの録音も流れる。これを聞いて思ったのだが、大川総裁、意外と信者相手だといいおっさんというか、与太話を笑いを交えながら語る「おもろいおっさん」として受け入れられているのかもしれない。そういうわけで、以下ほぼコメディの小噺集になります。

 

 

大学で心理カウンセラー神山(青木涼)の特別講義を受けていた楓(希島凛)は、神山に問われて自分が見た夢の話をする。夢の中で楓は白いひらひらのワンピースに白ブーツという珍妙な出で立ちで日本刀を持ち、黒マントののっぺらぼうと対峙している。激しい剣戟で黒マントを倒した楓、倒れた相手に止めをさす。すると刺した相手はぬいぐるみになっていた。シルクハットの黒づくめの男が拍手をしながらあらわれる。

「では、見てみましょう」

 と神山は手かざしして「リーディング」をはじめる。すると他人の夢に入りこんでその夢が見られるのだ。

「これは前世ですね」

 そう、楓は前世での出来事を夢に見ていたのだ。新選組の隊士だった楓が浪士を切った後悔を夢に見ていたのである。大学の授業でこんなオカルトなパフォーマンスやってていいのかよ! だがこの授業を受けていた葵(山岸芽衣)は、楓の上に神山が説明した武士の姿を幻視したことからすっかり神山に心酔、彼の診療室に行ってしまう。実は葵、金縛りに悩んでいたのである。その件を神山に相談しようとしたところに悪夢に悩まされている川村(高橋宏昌)が相談に訪れる。「アシスタントが辞めちゃったんで……」とビデオ録画のセッティングに四苦八苦する神山を見かねた葵、

「お手伝いしましょうか?」

 と申し出て、そのままビデオの録画も担当する、っておい! そんなどこの馬の骨とも知れないただの女学生にカウンセリング立ち会わせてプライバシーダダ漏れにするとかどういう……葵、ここからちゃっかり神山のアシスタントに滑りこんでしまうのだから恐れ入る。

 

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