柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『カラダ探し』電通様による超強力タイアップで、橋本環奈を看板としてまつりあげたハリボテ映画。産業映画は、中が空っぽでも上っ面だけ整っていれば成立する

公式サイトより

皆殺し映画通信10周年記念イベント
『10周年だよ、全員集合! 死して屍拾うものなし』
開催のお知らせ(12/3)

カラダ探し

監督 羽住英一郎
脚本 土城温美
撮影 一坪悠介
音楽 菅野祐悟
主題歌 Ado
出演 橋本環奈、眞栄田郷敦、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠、柳俊太郎、西田尚美、柄本佑

 

この映画、何が驚いたといってクレジットである。製作委員会に参加している企業がなんと16社! 以下列挙。ワーナー・ブラザーズ(WB)、電通、ディスカバリー・ネクスト、KDDI、WOWOW、ユニバーサルミュージック、UUUM、トーハン、双葉社、ローソン、MBS、ROBOT、スターツ出版、闇、集英社、ムービーウォーカー以上テレビ、ネット、出版、VTuberその他メディアすべての分野をカバーする超強力なタイアップ体制を電通様が作りあげて、橋本環奈をその看板としてまつりあげて、タイアップの柱で支えたハリボテ映画を作りあげた。中が空っぽでも上っ面だけ整っていれば成立する完璧な産業映画。インダストリアル・フィルムと呼ぶとちょっとかっこいいが、残念ながら中身は何もない。電通の看板女優たる橋本環奈のうつろさもこれ以上ないほどあらわになった。このあと福田雄一監督のクリスマス映画が待っている環奈、今年の皆殺し映画の顔といっても過言ではあるまい。なお、ジャニーズのイケメンのおかげもあって、劇場は中高校生カップルで埋まっており、現代日本映画の縮図としての電通プロイテーションは成功しているみたいだったよ?

 

 

7月5日朝、女子高生アスカ(橋本環奈)は遅刻ギリギリで学校に向かう。母親から「コロッケ作りすぎちゃったから入れとくね、友達と食べて」と言われて生返事してる時点でわかるように、彼女はボッチで友達がいない。なんでも、高1のときに風邪だかで学校を休んだら、それがズル休みだと噂を流されて友達がいなくなったというんだが、絶対なんかほかに理由あるだろ! 男子たちすら近づかないというのが無理矢理すぎる。まあ、そんな感じでボッチで地味な一日を過ごし、ベッドに入って就寝した……とおもったら午前零時。気がつくと制服を着て学校にいた。同じく教室にいたのは登校場面等でそれとなく目立って紹介されていた生徒たち。運動神経抜群のエリートタカヒロ(眞栄田郷敦)、学級委員のリエ(横田真悠)、バイクで送られての登校が目立つヤンキー娘ルミ子(山本舞香)、不登校のショータ(醍醐虎汰朗)、オタクのいじめられっ子アツシ(神尾楓珠)である。アツシ、この状況に「……まさか本当にカラダ探しが始まったのか……?」みたいなことを漏らして、露骨に何か知ってるアピールする。だが、何が起こっているのかわかる間もなく、「赤い人」なる怪物があらわれる。「こんなことやってられるか! オレは家に帰る!」と学校から帰ろうとしたショータが障壁にぶつかってバラバラになってしまったのを皮切りに、メンバーは次々に血祭りにあげられ、主役っぽいタカヒロも、そして橋本環奈まで無惨に惨殺されて……完! えっ終わったの!?

 

 

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目が覚めたら7月5日だった。昨日と同じ日がくりかえされている! 時間ループものなんですね。同じ登校風景のくりかえしののち、さっそくメンバーはなにやら知ってる風だったアツシを問い詰める。

 

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tags: Ado 一坪悠介 土城温美 山本舞香 柄本佑 柳俊太郎 横田真悠 橋本環奈 眞栄田郷敦 神尾楓珠 羽住英一郎 菅野祐悟 西田尚美 醍醐虎汰朗 電通 電通スタイル

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