『森の中のレストラン』 自殺未遂者が出す料理を自殺志願者が食う! 地獄のジビエ・レストランへようこそ
→公式サイトより
いよいよ、明日!
皆殺し映画通信10周年記念イベント
『10周年だよ、全員集合! 死して屍拾うものなし』
開催のお知らせ(12/3)
『森の中のレストラン』
監督 泉原航一
脚本 幸田照吉
撮影 高橋慶太
音楽 荒川仁
出場 船ヶ山哲、畑芽育、森永悠希、染谷俊之、奥菜恵、佐伯日菜子、谷田歩、小宮孝泰
人里離れた森の中に立つ山小屋風のレストラン。フランスの三ツ星レストランで修行してきたというシェフの料理を味わうために、はるばる離れた地からやってくる客がいる。一方「夜」の「一人客」もおり、それは「最後の晩餐」、つまり自殺志願の客に食べさせる最後の食事なのである。実はこのシェフ、この地で首をくくろうとして死に損なった経験があり、そこを猟師に拾われてレストランを開いてもらったという。自殺未遂者が出す料理を自殺志願者が食う! この世にも暗黒なレストラン、いったいどこにあるんだよ! 樹海かよ! と言ってたら本当に樹海らしい。いや富士樹海と明記はされないのだが、自殺志願者が集まる森で、地元民が辟易しているってどう考えても樹海だろ! 例によって人里離れた場所で成立するとは思えないゴージャスなレストランなのだが、あるいは食材はすべてオーナーである猟師が採集してくるので無料でまかなえてるのかもしれない。そんな地獄のジビエ・レストランへようこそ。
森の中のレストラン、シェフ京一(船ヶ山哲)は「夜」の「一人客」(森永悠希)を迎える。暗い照明に寡黙なシェフ、訳アリの客というわけで世にも暗いレストラン、とても食べ物が喉を通るような雰囲気ではない。訳アリの客は「最後の晩餐です」とメニューにない食事を注文する。京一は「客の事情には斟酌しない」という方針ゆえ、「止めてくれないんですね?」といかにもなんか言ってほしそうな客にも「わたしはお客さんには干渉しない主義です」とにべもない。そういうわけでリクエストに答えて目玉焼きのせの焼きそばとチャーハンを出し、「焼きそば、美味しかったです……」と言いおいて暗闇に消える客。
翌朝、オーナーの猟師欣二(小宮孝泰)が野草を持ってやってくる。「昨日の客、見つかったそうだぞ。郵便局員だったそうだが、老人の客を騙した金で遊んでたみたいだから、自業自得か……」
「……客には干渉しない主義だから」
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だがそうはいかないのが地元民。自殺の後片付けで余計な労働をさせられた青年団の面々が、リーダー(染谷俊之)を中心にレストランに押しかけてくる。
「自殺志願者がいたら連絡しろよ! なんだよ“最後の晩餐”だなんて。そんなことするから自殺志願者が集まってくるんじゃないか!」
「……もともと有名なんだろが」
捨て台詞を吐いて一触即発の雰囲気に。まあこれは「客には干渉しない主義。人生を終えたい人に自分をふりかえる時間をあげるだけ」とか綺麗事言ってる京一がおかしい。
次にやってきたのが女子高生サヤ(畑芽育)である。サヤは強烈な暴君で母(佐伯日菜子)に暴力をふるうDV父(谷田歩)に怯える暮らしをおくっている。ある日登校途中、学校にいけなくなってふと家出……電車をのりついで「森の中のレストラン」に来てしまったのだった。
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